宅建という言葉は、建築業界への就職や転職を悩んでいる方はよく聞くと思います。しかし、宅建とはなにか気になっている方も多いのではないでしょうか。
また、就職や転職に絶対に必要な資格なのか、悩んでいる方も多いかと思います。

そこで、今回は宅建士の仕事内容についてご紹介致します。併せて、就職に有利なのかや宅建士の年収についても紹介します。宅建について興味がある方は、ぜひ参考にしてください。

 

1.宅建とは?

宅建士という言葉を、「一度は聞いたことがある」という方は多いのではないでしょうか。実は略称であり、正式名称は「宅地建物取引士」といいます。

正式名称をみれば、宅地や建物を取引する人のことだろうと想像できるのではないでしょうか。しかし、宅建士の詳細や仕事内容を知らない人も多いと思います。

この章では、宅建士について詳しくご紹介します。

 

1-1.不動産取引の専門家

宅建士は不動産取引の専門家です。試験に合格する必要があり、合格後に宅地建物取引証の交付を受けます。そして宅地建物取引証の交付後、宅建士として仕事をすることができます。

受験者は年々増えており、人気が高まっている資格ですが、合格率は平均して15%ほどと難関な資格ということが伺えます。

宅建士は、不動産に関わる取引を専門に仕事をします。例えば、不動産取引に関する重要事項を、お客様に説明する仕事などです。

不動産取引は高額商品ですが、取引に関する内容は専門的な内容が多く、不動産を初めて購入するお客様は、本当にこの会社から購入して大丈夫なのかなど不安がいっぱいです。そのため、お客様が不当な取引に巻き込まれないように、不動産の専門的知識がないお客様が不利になることがないように、宅建士が重要事項を説明することが求められます。

 

1-2.仕事内容

宅建士になるには資格を取る必要があることが分かりましたが、宅建士になればどのような仕事が出来るようになるのでしょうか。

先程も少しお話しましたが、住宅の購入や買い替えは人生の中で何回もするものではないので、多くのお客様が慣れておりません。そのため、お客様にとって不利な契約を結ばれてしまうこともあるでしょう。宅建士は、不当な契約が結ばれないように、お客様の利益を守ることが役割です。

宅建士の主な、仕事内容は以下の3つです。

①お客様への重要事項の説明
②重要事項の説明書面への記名・押印
③契約書への記名・押印

それぞれ、詳しく見ていきましょう。

①重要事項の説明
宅建士は、買主や借主に物件に関しての重要事項を説明しなければなりません。
例えば、「私有地の有無」「電気・水道・ガスの設備状況」「契約の解除条件」などが挙げられます。

不動産の所有者が隠ぺいなどの不正を行わないように、宅建士が責任を持って説明します。
重要事項の説明は、宅建士にしかできない重要な仕事のひとつです。

 

②重要事項の説明書面への記名・押印
書面化された重要事項を、買主や借主に渡します。書面に沿って具体的な説明を行うためです。相手が納得できれば、契約成立となります。

用紙はお客様に配布しましょう。
その用紙の説明後は、証明のために記名と押印が必要です。

 

③契約書への記名・押印
契約書に、法的な間違いがないか確認することも宅建士の仕事です。
契約者に中身を記した書面を確認してもらいます。間違いが無ければ記名・押印をしましょう。

①~③の仕事内容は、宅建士にしかできない仕事です。そのため、責任を感じることもありますが、やりがいのある仕事と言えるでしょう。

 

2.宅建の資格は就職に有利か

宅建士の仕事内容などをご紹介しましたが、宅建士の資格は持っていたほうがいいのでしょうか。不動産業界は、資格がなくても働けますが、宅建資格はとっておいたほうがいいでしょう。

それではここからは、就職に有利な理由をご紹介します。

 

2-1.独占業務ができる

宅建士の資格を持っていると、就職に有利になります。

なぜなら、資格を持っていると応募できる求人が多くなるからです。不動産業界は、資格がなくても働くことが可能です。しかし、宅建資格を持っていると、宅建士しかできない仕事に応募することができます。

また不動産業界において、業務に従事する者のうち、5人に1人が宅建士でいなければいけないという決まりもあるため、会社の規模を大きくするにはそれだけ宅建士が必要になってきますので、転職の際に必要とされる機会も多くなるでしょう。

 

2-2.宅建は幅広い業界で必要とされている

宅建の資格は、多くの業界で活かせます。

なぜなら、宅建試験は民法や税法などの問題も出題されているからです。そのため、金融業界や保険会社、小売業でも宅建は必要とされています。

建築業界以外でも、宅建資格が活かすことができるので、就職に有利だといえるでしょう。宅建試験は、それほど難しくありません。合格率は15~17%で推移しており、3万人前後が毎年合格しています。試験の合格率も、ほかの国家資格と比べれば高いです。

多くの業界で宅建の資格は必要とされているので、不動産業界以外で働きたいと考えたときにも宅建は転職に有利だと言えます。

 

3.未経験でも宅建を活かして転職できる

宅建の資格を持っていれば、未経験でも不動産業界への転職がしやすいです。先程も記載した通り、業務に従事する者のうち、5人に1人が宅建士でいなければいけないという決まりがあるからです。

また宅建士であるということは、ある程度の不動産に関する知識があるとみなされるので、すぐに業務を開始することができます。そのため、建築業界に就職したことのない人でも、転職できる可能性は高いです。未経験かつ無資格で挑戦するよりも、圧倒的に転職はしやすくなるでしょう。

転職を検討している、検討していないに関わらず、宅建の資格を取ろうか悩んでいる人は、ぜひ取得を目指してみてください。

 

4.宅建資格の取得の仕方

宅建の資格試験は、毎年1回、10月に行われています。年に1回しか試験がないので、合格したい人も多いと思います。

宅建試験には受験資格がないので、どんな人でも受験することができます。そのため、独学で勉強する人も多いでしょう。しかし、独学で本当に合格できるのか、不安に思うこともあると思います。

そこで、この章では独学で合格できるのかご紹介します。また、併せて合格するためのスケジュールも見ていきましょう。

 

4-1.宅建は独学でも合格できるか

宅建試験は独学でも合格することは可能です。ネットやSNSで情報を集めやすいことや、過去問題集が発売されているからです。

例えば、過去問を解くと出題の傾向が分かり、勉強する分野をある程度まで絞ることができます。そのため、効率よく勉強を進めることができます。

過去問は3周以上するのがおすすめです。何回もすることで、間違った問題を把握することができるからです。間違えた問題を復習することで、苦手な問題が少なくなります。

独学で合格を狙うなら、勉強時間は250~300時間が目安です。10月の試験に合わせて、スケジュールを組みましょう。

 

4-2.合格を目指すためのスケジュール管理

試験合格にはスケジュール管理が大切です。管理ができていないと、問題集が終わらなかったり、復習ができなかったりします。

毎日の計画と、実際の行動を記録するだけでも、スケジュール管理の意識が身に付きます。また、試験が近づいてきたら、実際の試験時間に合わせて問題を解いてみましょう。開催される曜日、時間に合わせて解くことで、試験日の緊張を軽減させることができます。

おすすめは、試験の1か月ほど前から繰り返すことです。3回ほど繰り返すことで、適度に試験の様子に慣れることができます。

試験に万全の状態で向かうためにも、スケジュール管理はしっかりしましょう。

 

5.宅建をとると年収アップするのか

宅建士の資格を取っても、いきなり年収はあがりません。なぜなら、新人の場合は役職などもないからです。多くの企業と同じように、役職に就いたり、ベテランになったりして徐々に年収が上がっていきます。

しかし、年収アップが見込める職業だともいえます。新人の場合、年収は300~400万円ほどですが、宅建士の年収平均は400~650万円です。年収を上げるには、少しずつ実績を積むことが重要でしょう。
長い目でみて、徐々に年収アップを目指すことをおすすめします。

 

6.まとめ

今回は、宅建の仕事内容や、転職するときに活かせるかなどをご紹介しました。宅建はほかの国家資格に比べて取りやすく、就職や転職にも活かせる資格です。

また、建築業界でなくても活かせる資格なので、転職に活かすこともできます。

興味のある人は、ぜひ資格取得を目指して勉強してみてください。