こんな方におすすめ
- 経営企画の仕事に興味があるけど、自分に向いているのか分からない…
- 経営企画部に異動の話が出たけど、適性があるのか不安…
- 経営企画に必要なスキルって何?未経験でも目指せるか知りたい!


実は、経営企画に向いている人には共通する特徴やスキルがあります。
論理的思考力やデータ分析力、柔軟な発想力などが求められる一方で、向いていない人の特徴も存在します。
まずは自分の適性を知り、経営企画に向いているのかを判断することが大切です。

この記事では、経営企画に向いている人の特徴を詳しく解説し、適性を診断するチェックリストを提供します。
さらに、経営企画に必要なスキルや、未経験から目指すためのポイントも紹介するので、
ぜひ参考にしてください。

【この記事でわかること】 経営企画の具体的な仕事内容と求められるスキル 経営企画に向いている人・向いていない人の特徴 自分の適性を確認できる25項目のチェックリスト 未経験から経営企画を目指すためのステップとおすすめ資格 経営企画からのキャリアパスと成功するためのポイント  

1. 経営企画とは?仕事内容と役割を解説

経営企画は、企業の経営判断を支える重要な職種です。
本章では、経営企画の基本的な役割や仕事内容を解説します。

経営企画とは、企業の経営戦略や事業計画を立案し、その実行をサポートする職種です。
一般的に「経営企画部」や「経営企画室」という部署に所属し、企業全体の方向性や成長戦略を考える役割を担っています。
 

経営企画の基本業務とは?

■ 企業の戦略立案・事業計画の策定
経営企画の最も重要な役割は、企業の中長期的な戦略や事業計画の立案です。
経営ビジョンや企業理念に基づき、3〜5年の中期経営計画や単年度の事業計画を策定します。

新規事業の立ち上げや既存事業の見直し、M&A(合併・買収)の検討なども行います。
予算管理も重要な業務で、各部門の予算策定を取りまとめ、予実管理を行います。

■ 市場分析・データ分析の重要性
経営企画では、市場動向やトレンド、競合他社の分析を行い、自社のポジショニングを明確にします。
企業の強み・弱み・機会・脅威を整理するSWOT分析や、
政治・経済・社会・技術的要因を分析するPEST分析などのフレームワークを活用します。

自社の経営指標(KPI)の設定・モニタリングも重要な業務です。
近年はサステナビリティ(ESG)関連の指標分析も重視されています。

■ 経営陣への提案・意思決定のサポート
経営企画は、経営陣(社長や役員)の「右腕」として、重要な意思決定をサポートする役割も担っています。
取締役会や経営会議の資料作成、議事進行などを行い、
上場企業では決算発表資料の作成や株主総会の運営、IR活動の企画・実施なども行います。

■ 経営企画の仕事のやりがいと難しさ
【やりがい】 企業の成長戦略に直接関わることができる 経営陣と近い距離で仕事ができる 幅広いスキルを身につけられる 自社のビジネスを俯瞰的に理解できる 【難しさ】 常に企業全体を見据えた判断が求められる 各部門との調整が難しい場面がある 今四半期の業績と5年後のビジョンを同時に考えなければならない 経営陣からのプレッシャーや責任の重さから激務になりやすい  

2. 経営企画に向いてる人の特徴とは?適性診断でチェック!

経営企画に向いてる人の5つの特徴 論理的思考力が高い 経営企画では、複雑な経営課題を整理し、解決策を導き出す必要があります。
論理的に物事を考え、筋道立てて説明できる能力が重要です。

「なぜそうなるのか」「どうすれば解決できるのか」を論理的に考え、
他者に分かりやすく説明できる人が向いています。 データ分析が得意 経営企画では、市場データや経営指標などの数字を分析し、
ビジネスに活かせる重要な発見や気づきを見つける能力が求められます。
数字に強く、データから傾向やパターンを見抜ける人は適性があります。 俯瞰的な視点で考えられる 経営企画では、自社の事業全体を俯瞰し、
部門間の関係性や外部環境との相互作用を理解する必要があります。
「木を見て森を見ず」にならず、全体最適を考えられる視点が重要です。 調整力・コミュニケーション能力がある 経営企画は、経営陣と各部門をつなぐ「ハブ」のような役割を担うため、
高いコミュニケーション能力と調整力が必要です。異なる部門の意見をまとめ、
会社全体で物事を進めていくためには、相手の立場を理解し、適切に折衝できる能力が重要です。 新しいアイデアを生み出す力がある 経営企画では、既存の枠組みにとらわれない新しい発想や、創造的な問題解決能力も重要です。
競合他社と差別化するための独自戦略や、業界の常識を覆すような
新規事業のアイデアを生み出せる人は、経営企画で価値を発揮します。

【適性診断】あなたは経営企画に向いてる?チェックリスト
以下のチェックリストで、あなたが経営企画に向いているかどうかを診断してみましょう。

【思考力・分析力】 □ 複雑な問題を整理して考えることが得意だ □ データや数字を見るのが好きで、分析するのが苦にならない □ 論理的な思考で筋道立てて説明するのが得意だ □ 表計算ソフトの操作に抵抗がない □ 情報を集めて傾向やパターンを見つけるのが好きだ 【視野の広さ】 □ 物事を俯瞰的に見ることができる □ 短期的な成果だけでなく、長期的な影響も考慮して判断できる □ 自分の専門分野以外にも興味・関心がある □ 新しい情報やトレンドに敏感だ □ 異なる視点や意見を取り入れることができる 【コミュニケーション能力】 □ 複数の部門と円滑にコミュニケーションを取れる □ 相手に合わせて説明の仕方を変えることができる □ 難しい内容でもわかりやすく説明するのが得意だ □ 対立する意見を調整し、皆が納得できる方向に話をまとめられる □ 上司や経営陣に自分の考えをしっかり伝えることができる 【創造性・柔軟性】 □ 新しいアイデアを考えるのが好きだ □ 困難な状況でも柔軟に対応できる □ 前例のないことにチャレンジするのが好きだ □ 多角的な視点から問題を捉えることができる □ 「なぜそうなのか」と物事の本質を考えるクセがある 【ストレス耐性・主体性】 □ プレッシャーのかかる状況でも冷静に判断できる □ 締切に追われる環境でも集中して作業できる □ 自ら課題を見つけて取り組むことができる □ 結果が出るまで粘り強く取り組むことができる □ 批判的な意見を受けても前向きに改善点として受け止められる 全25項目中、18項目以上当てはまる場合は、経営企画に向いている可能性が高いでしょう。
13〜17項目の場合は、経営企画に必要な素質は持っているものの、いくつかの面でスキルアップが必要かもしれません。
12項目以下の場合は、現時点では経営企画との相性にやや課題があるかもしれませんが、
後述する「向いていない人の克服方法」を参考にしてみてください。
 

3. 経営企画に必要なスキルと経験

経営企画で活躍するためには、具体的にどのようなスキルや経験が必要なのでしょうか。
経営陣との距離が近いからこそ、意思決定に伴う責任も大きくなります。
「正解のない状況」においても、自信を持って道筋を示せる胆力が必要です。

具体的に求められるスキルセット
データ分析・市場調査のスキル Excelでのデータ集計・分析スキル PowerPointでのデータビジュアライゼーションスキル 統計知識(基本的な平均値・中央値から、回帰分析・予測モデル構築まで) 市場調査の手法(定量・定性調査の設計、実施、分析) 競合分析のフレームワーク(SWOT分析、5フォース分析など)の活用 英語力(グローバル企業では必須、IR活動に必要) 財務・会計の基礎知識 財務諸表(P/L、B/S、C/F)の理解 経営指標(ROA、ROE、EBITDA、営業利益率など)の意味と計算方法 予算策定・管理の基本的な手法 投資判断の基礎(NPV、IRR、投資回収期間など) 戦略的思考力と意思決定力 経営戦略のフレームワーク活用 中長期計画の策定方法 ロジカルシンキング(MECE、ピラミッド構造、仮説思考など) 問題解決の方法論(イシュー設定、原因分析、解決策立案など)
経営企画に活かせる経験とは?
【営業・マーケティング経験】
顧客ニーズや市場動向を肌で感じている営業・マーケティング経験者は、
現場感覚を活かした実現可能な戦略立案ができます。

【財務・経理経験】
財務・経理部門での経験は、予算策定や投資判断、業績管理などの場面でとても役立ちます。
決算業務や開示資料作成の経験はIR活動にも生かせます。

【コンサルティング経験】
外部コンサルタントとしての経験は、論理的思考力や問題解決能力、
プレゼンテーション能力という点で経営企画に直結します。

【事業開発・新規事業経験】
新規事業の立ち上げや事業開発の経験は、
ゼロからビジネスを構築する思考力や実行力という点で経営企画に活かせます。

【IR・広報経験】
投資家や株主とのコミュニケーション経験は、
経営企画でのIR活動や株主総会運営、統合報告書作成などの業務に直結します。
 

4. 経営企画に役立つ資格・学習方法

経営企画職でおすすめの資格一覧
資格名:日商簿記の基礎知識を習得
日商簿記は、企業の経理・財務状況を理解するための基礎的な資格です。
特に3級と2級は、経営企画で必要な会計知識の基礎を身につけるのに役立ちます。
大手企業の経営企画部では高度な会計知識も求められることがあるため、将来的には1級取得も視野に入れておくとよいでしょう。

資格名:中小企業診断士で経営分析力を強化
中小企業診断士は、経営コンサルタントの国家資格で、経営に関する幅広い知識を体系的に学べます。
経営戦略、マーケティング、財務、組織人事など経営全般の知識を習得できます。

資格名:公認会計士で高度な財務知識を習得
公認会計士は財務のプロフェッショナルとして、
経営企画における複雑な財務分析やM&A判断、IR活動での投資家対応に強みを発揮します。
取得は難しいですが、上場企業の経営企画部では特に高く評価される資格です。

資格名:語学資格(TOEIC・英検・TOEFLなど)
グローバル企業や上場企業の経営企画では、
海外投資家向けIR資料作成や海外子会社とのやり取りなど、英語力が必須となる場面が増えています。
TOEIC800点以上、英検準1級以上を目指すとよいでしょう。

特に大手企業や外資系企業を狙う場合は、
ビジネス英語上級レベル(ネイティブとの会議や交渉、専門的な資料作成ができるレベル)が
求められることも少なくありません。

実際に経営企画部で働く人の中には、業務の忙しさの中でも
早朝から出社して英単語の勉強をしている人もいるほど、英語力の向上に熱心な人が多いです。
 

5. 未経験でも経営企画を目指せる?成功のためのポイント

未経験から経営企画に転職する方法

【段階的なアプローチ】
正直なところ、ビジネス経験やスキルのバックボーンがない完全な未経験者が、
いきなり経営企画部門に転職するのは少し難易度が高いのが現実です。
そのため、以下のような段階的なアプローチを検討しましょう。 まずは関連部門での経験を積む
財務・経理部門や事業企画部門、マーケティング部門など、経営企画と関連性の高い部門で経験を積むことで、必要なスキルの一部を身につけることができます。 中小企業の経営企画からスタート
大手企業よりも中小企業の方が、未経験者の採用に柔軟な傾向があります。中小企業の経営企画で実績を積んでから、大手企業にステップアップするというキャリアパスも効果的です。中小企業の経営企画では、大手にはないスピード感や裁量の大きさが魅力です。一人で複数の業務を担うことも多く、スキルアップにつながります。 コンサルティングファームを経由する
戦略コンサルティングファームでの経験は、経営企画のスキルと直結します。コンサルティングファームで数年経験を積んでから、クライアント企業の経営企画に転職するというキャリアパスも一般的です。
【未経験でもアピールできるポイント】 論理的思考力や分析力
前職でのデータ分析経験や、論理的な問題解決の事例をアピールしましょう。 業界知識やビジネス感覚
志望する企業の業界についての知識や、ビジネスモデルへの理解をアピールできると有利です。 コミュニケーション能力・調整力
前職での部門間連携の経験や、プロジェクトの推進経験があれば、積極的にアピールしましょう。
経営企画に役立つスキル習得のコツ
【初心者向け】 日商簿記3級・2級の取得
経営企画の基礎となる会計知識を身につけるために、まずは日商簿記から始めましょう。 経営戦略の基本書を読む
経営戦略に関する入門書や定番のビジネス書を読み、基本的なフレームワークや考え方を学びましょう。J.コリンズ「ビジョナリー・カンパニー」など、書店の経営・戦略コーナーには多くの良書があります。 Excelのデータ分析スキルを磨く
ピボットテーブルやVLOOKUP、グラフ作成など、基本的なExcelスキルを身につけることは必須です。 統計の基礎知識を身につける
基本的なデータ分析ができるよう、平均値や中央値などの基礎統計から学び始めましょう。オンライン講座やビジネス統計の入門書が役立ちます。 日経新聞やビジネス誌を定期購読する
経済・産業動向や企業戦略の最新情報を得るため、日経新聞や東洋経済、日経ビジネスなどを毎日読む習慣をつけましょう。業界知識が自然と身につきます。 未経験からでも経営企画を目指す場合、このようなスキルを意識して磨くことが重要です。

「未経験から経営企画なんて無理では…?」と思っている方へ。
実は、スキルの棚卸しや異業種からの転職戦略を知っておくことで、十分に挑戦可能です。
➡まずは未経験でもキャリアアップが可能な業界を知りたい方は、こちらの記事も参考になります。
※【関連記事】「 不動産業界でキャリアアップするにはどうすればいい?おすすめの転職方法を紹介 」

【中・上級者向け】 中小企業診断士の学習
経営全般の知識を体系的に学べる中小企業診断士の学習は、経営企画のスキルアップに直結します。 実践的なビジネスケースの学習
ビジネススクールで使われるケーススタディや実際の企業事例を分析することで、経営判断の訓練を積むことも効果的です。 サステナビリティ関連知識の習得
ESG投資の拡大に伴い、環境・社会・ガバナンスに関する知識も経営企画では重要性を増しています。
異業種・異職種から経営企画に転職した成功事例
【営業職からの転身】
営業職として培った顧客理解力と数字への感覚を活かし、経営企画で市場分析や事業戦略立案を担当。
現場感覚を持った提案が経営陣から高く評価されました。

【エンジニアからの転身】
エンジニアとしての論理的思考力とデータ分析スキルを活かし、経営企画でDX戦略を担当。
技術的な知見と経営戦略を融合させた提案が強みになりました。
 

6. 経営企画に向いていない人の特徴と克服方法

経営企画に向いていない人の特徴とは? 短期的な成果しか見えない人:経営企画では中長期的な視点が重要 数字やデータに苦手意識がある人:定量的な分析や判断が多い職種のため 一つの専門分野にしか興味がない人:幅広い知識や視点が求められる コミュニケーションや調整が苦手な人:多くの部門と連携する必要がある 曖昧さや不確実性に耐えられない人:確固たる正解がない中での判断が求められる 向いていなくても成功するためのスキルアップ方法 自分の得意分野を知る:まずは自己分析を行い、自分の強みを明確にする 苦手分野を意識的に学ぶ:数字が苦手なら財務分析の基礎から、コミュニケーションが苦手なら傾聴力から始める メンターを見つける:経営企画のベテランに指導を仰ぎ、実践的なノウハウを学ぶ 得意分野を活かす:向いていなくても、自分の強みを活かせる役割を見つける チームで補完し合う:自分の弱みをチームメンバーの強みで補完する体制を作る  

7. 経営企画職で成功するためのキャリアステップ

経営企画でのキャリアパスとは?
【一般的なキャリアパス】 経営企画部アシスタント/メンバー:基礎的な業務を担当し、スキルを習得 経営企画部主任/担当者:特定のプロジェクトや分析を任される 経営企画部マネージャー:チームを率いて戦略立案や全社プロジェクトを推進 経営企画部長/役員:全社の経営戦略を主導し、経営陣の一員として意思決定に参画
【経営企画からのキャリア展開】 経営幹部へのステップアップ:CFO、COO、CEOなど 事業部門の責任者:事業部長、カンパニー社長など 専門分野への特化:IR担当役員、M&A責任者、サステナビリティ推進責任者など 独立・起業:コンサルタントとして独立、または自らの事業を立ち上げ
【IR・財務戦略特化型のキャリアパス】 IR担当者:決算説明会の運営、投資家向け資料作成、株主対応など IR責任者:投資家戦略の立案、経営陣への情報提供、開示方針決定など 財務/IR担当役員:資本政策の立案、株主との対話主導、企業価値向上施策の推進
20代・30代のキャリア戦略
【20代】 経営企画の基礎スキル(データ分析、資料作成、会議運営など)を徹底的に磨く 財務・会計の基礎知識を身につける(日商簿記2級レベル) 経営企画以外の現場経験も積極的に積む 【30代】 特定の領域での専門性を深める(財務戦略、事業開発、M&Aなど) プロジェクトリーダーとしての経験を積む 社外ネットワークを広げ、業界動向に敏感になる 経営企画経験を活かせる職種・キャリアパス 事業開発・新規事業責任者:戦略立案経験を活かして新規事業を牽引 経営コンサルタント:企業全体を俯瞰する視点を活かして外部からアドバイス ベンチャー企業のCFO/COO:経営企画で培った総合力を活かして成長企業を支える 事業会社の幹部:経営全般の知識を活かして事業部門を指揮  

8. まとめ:経営企画に向いてる人の特徴を理解しキャリアアップしよう!

経営企画は企業の未来を形作る重要な役割を担う職種です。
論理的思考力、データ分析力、俯瞰的視点、コミュニケーション能力、創造力という5つの特徴を持つ人に向いています。

未経験からでも、段階的なアプローチや関連スキルの習得によって、経営企画への道は開かれています。
日商簿記などの基礎資格から始め、中小企業診断士やMBAなどでスキルを高めていくことで、経営企画のプロフェッショナルを目指せます。

確かに経営企画の業務は時に激務となり、大きなプレッシャーを感じることもありますが、
そのやりがいは他の職種では得られない貴重なものです。
企業経営の中枢に関わり、会社の未来を創る喜びを味わうことができます。

経営企画に転職したい、または異動を目指している方は、本記事を参考にスキルや適性を見直し、次のキャリアを描いてみてください。
あなたの挑戦が、企業の未来を、そして自身のキャリアを輝かせることを願っています。

➡ 経営企画に近い仕事にチャレンジする場合も、志望動機や面接での伝え方が重要です。
面接対策に不安がある方は、こちらの記事も参考になります。
※【関連記事】「【不動産業界】転職志望者必見!転職面接成功のために抑えるべきポイントは