こんな方におすすめ
- 不動産鑑定士に興味があるけど、自分に向いているのか分からない…
- 資格取得を目指すべきか悩んでいる…
- 不動産鑑定士に必要なスキルや転職のコツを知りたい!


実は、不動産鑑定士に向いている人には共通する特徴があり、
必要なスキルを身につけることで、未経験でも目指せる職業です。
適性を判断するポイントや、スキル習得の方法、キャリアアップの戦略を知ることで、
資格取得や転職の成功率が上がります。

この記事では、不動産鑑定士に向いている人の特徴を解説し、資格取得やスキル習得の具体的な方法を紹介します。
また、転職や独立を目指す際の戦略についても詳しく解説するので、これから不動産鑑定士を目指す方はぜひ参考にしてください。
 

不動産鑑定士とは?仕事内容と役割を解説


不動産鑑定士は、「不動産の価格評価をする専門家」というイメージが強い職業です。
しかし実際には、不動産の鑑定評価以外にも、コンサルティング業務や公共機関への助言など、幅広い役割を担っています。
ここでは、「不動産鑑定士の3つの仕事内容」と、「仕事のやりがい」を解説していきます。
 

不動産鑑定士の基本業務とは?


不動産鑑定士の基本業務は、大きく以下の3つに分類できます。 不動産の価格評価と市場分析 企業や個人向けの資産評価業務 公共機関や税務関連の業務 それぞれの内容を詳しく解説していきます。

不動産の価格評価と市場分析

不動産鑑定士の仕事で最もイメージしやすいのが、「不動産価格の評価と市場分析」です。
不動産価格は、以下の外部要因によって変化します。 地域開発(再開発や都市計画など) 景気変動(経済状況や物価変動など) 政策要因(税制改正や金利動向など) 適正な価格を導き出すために、不動産鑑定士は現地調査や登記簿の確認、専用ツールを用いた分析を行います。
不動産の鑑定評価は不動産鑑定士の独占業務であり、
公正な取引を実現するためにも社会的影響が大きい重要な仕事です。

企業や個人向けの資産評価業務

不動産鑑定士は、企業や個人に対して資産評価やコンサルティングを行うことも業務の1つです。
具体的には以下のサポートを行います。 土地・建物の有効活用の提案 不動産の権利関係の調整 投資判断に関するアドバイス

鑑定評価で培った専門知識を活かし、客観的な立場からアドバイスが求められますが、
クライアントからの信頼獲得に繋がります。

近年は日本の不動産が、海外投資家の投資対象となっているため、
国際評価基準を踏まえたコンサルティングができる鑑定士が求められています。

公共機関や税務関連の業務

不動産鑑定士の仕事は、個人や企業だけでなく公共機関とも関わるケースがあります。
その代表例が、相続税や固定資産税に関する評価です。

不動産の相続税や固定資産税は路線価をもとに計算されます。
公的機関の要望に応じて、不動産鑑定士が路線価の評価を行うことで、適正な納税やトラブル防止に繋がるため、
鑑定評価やコンサルティング業務と並んで大きな役割の1つです。
 

不動産鑑定士のやりがいと求められる責任


不動産鑑定士の業務内容は、不動産価格の評価だけでなく税金や権利関係の分野にも及びます。
不動産の取引は高額になるケースが多く、不動産鑑定士の評価が社会に与える影響は大きなものになります。 正確で公正な鑑定評価 守秘義務の順守 社会的影響力の自覚 このように、不動産鑑定士が担っている責任は非常に重いです。
しかし、業務を全うすることで、社会からも信頼される専門家として活躍できるやりがいの大きい仕事です。
 

不動産鑑定士に向いている人の特徴とは?適性診断付き!


不動産鑑定士の仕事は、高度な専門性が求められるため、誰でもできる仕事ではありません。
次に、不動産鑑定士に向いている人の特徴について、解説していきます。

不動産鑑定士に向いている人の5つの特徴


不動産鑑定士に向いている人には、5つの特徴があります。 論理的思考力と分析力がある 数字やデータの扱いが得意 コツコツと学習を続けられる忍耐力がある 不動産業界や資産評価に興味がある 独立志向があり、フリーランスで働きたい
それぞれ解説していきます。

論理的思考力と分析力がある
不動産の鑑定評価では、法令や規定に基づいた評価方法に加え、さまざまな外部要因が大きく影響します。

▼ 不動産鑑定で必要な情報収集活動
物件の現地調査(立地条件、建物状態、周辺環境など)
地域の不動産会社へのヒアリング
公的データの調査・分析

これらの情報を多角的な視点から分析し、鑑定評価をすることが求められます。
物事を論理的に考えられる人は、不動産鑑定士の業務に適性を持っているといえるでしょう。

数字やデータの扱いが得意
不動産鑑定士には、数値やデータを正確に取り扱うスキルも必要不可欠です。
なぜなら、鑑定評価では過去の取引事例や統計データを考慮し、正しい計算方法を活用して不動産の価格を算出するからです。 不動産価格の評価方法 収益還元法 原価法 取引事例比較法 もし、データを誤って解釈してしまうと、評価に大きな影響を与え損失を出してしまいます。
そのため、不動産鑑定士には数値やデータを正確に扱う能力が求められます。

コツコツと学習を続けられる忍耐力がある
不動産鑑定士になるためには、国家資格である「不動産鑑定士」の資格を取得しなければなりません。 不動産鑑定士の資格試験の内容 「短答式試験」と「論文式試験」の2つ 最終合格率は5~6%ほどの難関資格 資格を取得するために多くの時間を費やす必要がありますし、
資格取得後も、「法改正」や「地域開発」、「税制」と世の中の動きをいち早くキャッチしなければなりません。
不動産鑑定士として成功するためには、学び続ける姿勢が重要です。

不動産業界や資産評価に興味がある
不動産鑑定士は、不動産の価値を見極める仕事です。
土地や建物は、株式などと比べると価値が見えにくいため、専門的な調査・分析が必要となります。 地理的状況や法規制などの調査 不動産市況や取引動向のリサーチ
これらの情報をもとに「なぜその不動産にその価格がつくのか」を
突き詰めていく作業を面白いと感じられるなら、不動産業界や資産評価への興味がある証拠です。
興味があれば、学びも苦にならず、自然と情報収集を行えるでしょう。

独立志向があり、フリーランスで働きたい
不動産鑑定士には独立開業の道が開かれています。実際に、不動産鑑定士として多くの人が、自身の事務所を持ち独立しています。 不動産鑑定士として独立するメリット 収入の上限がない 自由な働き方が可能 仕事の裁量を自分で決められる 一方で、企業内不動産鑑定士の場合、安定した収入が見込めますが、
仕事内容は企業の方針に従わなければならないため、業務の自由度は低くなります。
独立志向が強く、仕事内容を自分で決めたい人は、不動産鑑定士の仕事が向いているかもしれません。
 

【適性診断】あなたは不動産鑑定士に向いている?チェックリスト


不動産鑑定士に向いている人の特徴を5つ挙げてきましたが、当てはまっている内容はありましたか。
不動産鑑定士の仕事は多岐にわたるため、5つ全てに当てはまっていなくても、
1つでも当てはまっている人は、不動産鑑定士の仕事に向いているといえます。

□ 論理的思考力と分析力がある
□ 数字やデータの扱いが得意
□ コツコツと学習を続けられる忍耐力がある
□ 不動産業界や資産評価に興味がある
□ 独立志向があり、フリーランスで働きたい

もしどれか1つでも当てはまっていれば、一度不動産鑑定士の仕事を検討してみてはいかがでしょうか。
 

不動産鑑定士に必要なスキルと習得方法


不動産鑑定士の仕事は多岐にわたるため、多様なスキルが求められます。
また、他の資格を取得しダブルライセンスだとクライアントからの信頼向上に繋がります。
ここでは、不動産鑑定士に「求められるスキル」と「おすすめの資格」を紹介していきます。
 

不動産鑑定士に求められるスキルセット


不動産鑑定士には、以下の4つのスキルが求められます。 不動産評価の専門知識 財務・会計の基礎知識 法律(民法・税法・不動産関係法)の理解 クライアントとの折衝能力 1つずつ詳しく見ていきましょう。

不動産評価の専門知識
不動産鑑定士が不動産価格を評価する際には、以下の要素を考慮しなければなりません。 外部要因 土地や不動産特有の事情 鑑定手法 このように幅広い知識が必要になります。ただ知識を身に着けるだけでなく、
不動産ごとに適切な手法で評価価格を導き出せる応用力が求められます。
不動産の専門知識を身に着ける方法は大きく2つあります。 専門書やテキスト 実務経験 まずは専門書で知識を身に着けて、実務を通して応用力を身に着ける流れが一般的です。

財務・会計の基礎知識

不動産鑑定においては、物件が生み出す収益や企業の財務状況の分析が不可欠です。
特に、賃貸物件や商業施設などの収益物件を評価する際には、 賃料収入 稼働率 維持管理コスト

これらの情報をもとに、財務諸表や収支計画を分析し、収益還元法で適正価格を導き出します。
また、損益計算書から企業の利益を把握したり、
貸借対象表から資産価値や減価償却を分析できるレベルの財務データの理解が欠かせません。

正しく分析をするために、損益計算書や貸借対照表の読み方を学べる日商簿記2級の学習がおすすめです。
財務や会計の知識は、不動産鑑定士の信頼性を高める上で重要になります。

法律(民法・税法・不動産関係法)の理解

不動産鑑定士には、民法や税法、不動産関係の法律理解も求められます。
なぜなら不動産価格は、権利関係や土地の活用方法によって左右されるからです。
例えば、土地の活用方法については、

都市計画法 建築基準法

これらの法律によって、用途や建築可能な建物が規定されています。
不動産鑑定士の資格試験では、37もの法令が出題されるほど、法律の知識は必要不可欠です。
また、相続税や固定資産税などの税法の知識といった幅広い法律知識が求められます。

クライアントとの折衝能力

実務面では、クライアントとの折衝能力も求められます。
不動産鑑定士は、単に不動産価格を鑑定評価するだけではありません。

クライアントに対してのヒアリング力 鑑定評価に納得してもらうプレゼン力

「なぜこの評価になったのか」を不動産知識の少ない
クライアントに理解してもらうために、コミュニケーション能力が欠かせません。
クライアントによって知識量や不安に感じる点が異なるため、
コミュニケーション能力を高めるには、場数を踏むのが一番の近道です。
不動産鑑定士には、クライアントとのコミュニケーションを通して信頼関係を築く力求められます。
 

不動産鑑定士になるために役立つ資格


不動産鑑定士が以下の資格を保有していると、学習内容が重複していたり、
クライアントからの信頼に繋がったりと、メリットが大きいです。
不動産鑑定士になるために役立つ4つの資格を紹介します。

宅地建物取引士(宅建)

不動産鑑定士が宅建士の資格を取得すると、
不動産の鑑定評価から取引・契約まで一気通貫して対応できるようになり、業務の幅が広がります。
提供できるサービスの範囲が広がるため、顧客満足度の向上に繋がります。

また、資格取得の観点からも、宅建士の学習範囲が
不動産鑑定士の試験にそのまま役立つため、効率的に勉強ができるのもメリットです。
宅建士の資格を持つ不動産鑑定士は不動産のプロと判断されるため、クライアントからの信頼も厚くなるでしょう。

簿記(2級以上)

不動産鑑定士には、会計や財務の知識が必要不可欠なため、簿記の資格があると役立つ場面が多々あります。
資格取得についても、宅建士同様、簿記の学習内容が
不動産鑑定士の資格試験に生きるため、効率的に学習を進められます。
不動産鑑定士が、財務分析力や税務の知識を持っていると相続評価の相談に繋がる可能性も考えられます。

中小企業診断士

不動産鑑定士は、鑑定評価だけでなくコンサルティング業務も行っています。
そのため、中小企業診断士の資格を保有している不動産鑑定士は、
個人や企業に対するコンサルティング業務で強みを発揮できます。

学習面においては、宅建士や簿記ほど重複範囲は多くありません。
また、中小企業診断士は、難関資格の1つです。学習量が増えることは事前に理解しておきましょう。

ただし、中小企業診断士の資格を持っていると、不動産の鑑定評価をメインにしている不動産鑑定士と差別化ができます。
取得難易度が高い分、資格を持っていると信頼性が高まる資格であることは間違いありません。

FP(ファイナンシャルプランナー)

最後におすすめする資格は、FP(ファイナンシャルプランナー)です。
FPの資格を保有していると、顧客の資金計画や税務面も含めたコンサルティングを行えます。
具体的には、以下の点で顧客にアドバイスができます。 住宅ローンの組み方 不動産購入後の資産運用計画 不動産相続時の対策 不動産投資 FPの資格は不動産鑑定士に比べて、難易度は高くありません。
そのため、まずFPの勉強で基礎を固めることで、不動産鑑定士の試験内容がスムーズに入ってくるでしょう。
 

効率的にスキルを習得する勉強方法


不動産鑑定士に必要なスキルを効率的に習得するためには、
インプットとアウトプットを繰り返すことが重要です。
資格試験に合格するための勉強をしていると、実務で役立たない知識になってしまうため、意味がありません。

「実際の仕事でどう活かせるか」を意識しながら勉強すると、より深い理解と定着に繋がるでしょう。
 

不動産鑑定士を目指すためにやるべきこと3選!


一流の不動産鑑定士になるためには、以下の3ステップを踏む必要があります。

STEP①:不動産鑑定士の資格を取得する
STEP②:実務経験を積むために転職・副業をする
STEP③:独立開業を視野に入れたキャリアプランを作る

特に、どれだけ優秀でも不動産鑑定士の資格を取得していないと、実務には携われません。
1つずつ解説していきます。

不動産鑑定士試験の情報を理解し、学習計画を立てる


不動産鑑定士は2つの試験があり、それぞれを合格しないと資格取得ができません。
合格率も非常に低く難関資格の1つといわれているため、しっかりと学習計画を立てないと、受かるのは難しいでしょう。
学習計画を立てて対策するためにも、不動産鑑定士の試験概要を解説します。

試験制度の概要(短答式試験・論文式試験・実務修習)

不動産鑑定士の試験は以下の2つに分かれます。 短答式試験 論文式試験 短答式試験は5肢択一形式であり、論文形式は、記述式の試験です。
短答式試験と論文式試験に合格すると、最後に実務修習があります。
これは研修生として不動産鑑定事務所で働きながら実務に触れる研修です。
これらの試験と研修を得ることで、不動産鑑定士の資格を取得できます。

不動産鑑定士試験の合格率と難易度

不動産鑑定士は、取得難易度が高い国家資格です。
試験内容
短答式試験:(合格率)33~36%
論文式試験:(合格率)14~17%

不動産鑑定士は国家資格であり、合格率が約5~6%と言われるほど
取得難易度が非常に高い資格の一つです。
学習時間の目安として、2,000〜3,000時間といわれており、
1日3時間の学習を2年間続けてやっと取得できる難関資格です。
 

② 実務経験を積むための準備をする(転職・副業)


不動産鑑定士の実務経験を積む方法として「転職」と「副業」の2つの方法がありますが、
おすすめは鑑定事務所や不動産関連の会社に転職する方法です。

転職するメリットは、「実務研修の受けやすさ」と「成長スピード」の2つです。
不動産鑑定事務所では、社内向けに研修制度を実施していたり、プロの現場で実務ノウハウを学べたりするため、
一人前の不動産鑑定士になるために転職を決断する人がいます。

一方で、クラウドソーシングサイトを活用して副業で実務経験を積むことも可能です。
ただし、鑑定士の実務研修は平日の時間をとる必要があるため、時間の確保で本業との両立は大きな課題です。
 

③ 独立・開業を視野に入れたキャリアプランを考える


不動産鑑定士は、独立・開業をする傾向が高い職業です。
ただし、資格取得後すぐに独立しても、実務経験や実績がないため、
クライアントからの信頼を得るのは難しいかもしれません。
将来的に独立や開業を検討する場合、以下のステップでキャリアプランを築いていきましょう。 資格を取得する 実務経験を積む 人脈を広げる 鑑定評価の実績を積む 独立をする 差別化要素をアピールする まずは、鑑定事務所やコンサル会社の社内鑑定士として実務を経験します。
その際人脈を作り、クライアントと信頼関係を築ければ、
独立後も仕事を依頼いただける可能性が高まるでしょう。
独立後は、自ら営業をして依頼を獲得し事務作業をしなければなりません。
クライアントからの依頼を受けるためには、他社との差別化要素をアピールすることが重要です。
 

未経験から不動産鑑定士になるための転職戦略


不動産鑑定士の仕事は、未経験からでもなれるのでしょうか。
ここでは、未経験から不動産鑑定士になるためのポイントと、
企業内の不動産鑑定士と独立開業の違いを解説していきます。
 

未経験からのキャリアチェンジは可能?


結論、不動産鑑定士は資格があればなれるため、未経験からでもなることができます。
資格取得に関しては、20代の受験者が多く、しっかりと勉強時間を確保できれば働きながらでも取得は十分可能です。

ただし、40代直前で実務未経験の場合、不動産鑑定士への就職や転職のハードルは高くなるともいわれています。
というのも、不動産鑑定事務所が実務研修の受け入れ上限を30歳前後としているケースが多いからです。
不動産鑑定士を目指す場合は、計画的に資格取得や転職活動を進めることが重要です。
 

不動産鑑定士を目指すための転職先選び


不動産鑑定士としてのキャリアを積むためには、まず企業の社内鑑定士になることがおすすめです。
ただし、不動産鑑定士の業務に携われても企業によって担当業務は大きく異なるため、転職先選びが重要です。

企業ごとの主な担当業務内容を表にまとめました。

不動産鑑定事務所

鑑定評価業務

金融機関

融資の担保評価や不動産投資の判断

不動産デベロッパー

開発用地の評価、マーケット分析

公共機関

地価調査や固定資産税評価


転職先は、「どの業務に興味があるのか」「長期的に携わっていきたいのか」を考えて決める必要があります。​

企業内不動産鑑定士と独立開業の違い


不動産鑑定士には、企業内鑑定士と独立開業の2つの働き方があります。
4つの観点から、それぞれの働き方の特徴を表にまとめました。

項目

企業内不動産鑑定士

独立開業

収入面

安定しているが、上限あり

案件数や営業力による

業務範囲

鑑定評価に専念可能

鑑定評価以外にも営業や事務作業が必要

働き方

企業ごとに異なる

柔軟な働き方が可能

信用力

会社の看板を使える

個人への信用が重要


企業内不動産鑑定士は、一般的な会社員のため安定した収入があり、
鑑定評価に専念できる環境があります。一方で、働き方は会社の方針に従わなければなりません。
独立開業の場合は、個人の信用力をもとに案件を獲得しなければなりません。
さらに事務作業や経営戦略の立案など、業務範囲は企業内鑑定士に比べて広範囲に渡ります。
独立開業すると、すべて自分の責任となりますが、その分収入面の上限がなく柔軟な働き方が可能になります。
 

不動産鑑定士のキャリアパスと独立の可能性


最後に、不動産鑑定士としてどのようなキャリアパスを歩むべきか、
また独立の可能性について解説していきます。
 

企業内でキャリアを積むか、独立を目指すか?


不動産鑑定士の働き方としては、「企業内でキャリアを積む方法」と「独立してキャリアを積む方法」の2つに分かれます。

まず、社内鑑定士として不動産会社や鑑定事務所、コンサルティング会社でキャリアを積む場合、
個人では経験できないような大規模な案件に携わることができるメリットがあります。
また、初期段階では実務スキルを身に着けるための教育制度が整っている企業が多いです。

反対に、独立を目指す場合は、仕事の裁量が大きくなり収入の上限がなくなる一方で、
クライアントから直接依頼を受ける必要があります。
そのため、不動産鑑定士としてのスキルだけでなく営業力も欠かせません。
どちらの選択肢にもメリット・デメリットがあるため、総合的に判断して選択する必要があります。
 

独立後に成功するための3つのポイント


不動産鑑定士として独立して成功するためには、以下の3つのポイントを意識する必要があります。 営業力 専門性 テクノロジーの活用
仕事を獲得する営業力が無ければ、売り上げは立たず事業を継続できません。
そのため、不動産鑑定士としてのスキルと同じくらい営業力は必須といえます。

また、個人として仕事を獲得するためには、専門性を磨く必要があります。
特定の分野に特化することで、その領域で悩みを抱えている
クライアントからの依頼を受けやすくなり、自身の専門性も高まります。

さらに、今後、作業効率化のために、AIやテクノロジーの活用は欠かせないでしょう。
AIの登場により、単純業務は代替されることが予測されます。
その分、不動産鑑定士としてのスキルや専門性、営業に時間を費やすことで、事業を大きく発展できるでしょう。
 

不動産鑑定士の将来性と市場の展望


不動産の鑑定評価は不動産鑑定士の独占業務のため、引き続き需要は見込まれるでしょう。
特に、不動産業界では高齢化による相続問題が深刻です。
相続や資産継承といったコンサルティング業務の需要が高まるのではないでしょうか。

一方で、AIやDXの発展により、定型的な業務はシステム対応が可能になっていくと予測されるため、
不動産鑑定士にはより専門的な判断が求められるでしょう。
さらに、海外投資家の日本不動産への関心が高いため、国際的な評価基準への対応が求められるかもしれません。
 

まとめ:不動産鑑定士を目指すために今すぐやるべきこと


不動産鑑定士について、向いている人の特徴や仕事内容、キャリアプランについて解説してきました。
不動産鑑定士の仕事は、クライアントからの信頼を獲得することで、独立開業しても高収入が狙えます。

しかし、資格取得に2,000時間以上の学習が必要で合格率が5%ほどの難関資格であり、業務内容は多岐にわたる専門性の高い職業です。
不動産鑑定士になるために、独学で資格試験に合格し、転職先を探すのは相当ハードルが高いです。

まずは、資格取得から転職、独立までの不動産鑑定士になるためのキャリアプランをエージェントに相談してみてはいかがでしょうか。