こんな方におすすめ
- 不動産業界に興味はあるけど、未経験で不安…
- 感情動機がうまく書けず、書類選考で落ちてしまう…
- （業界経験・未経験問わず）自分の強みをどうアピールすればいいかわからない…
転職活動を始めた際、最初に直面するのが「書類選考」です。
履歴書や職務経歴書の内容のみで面接に進むかどうかを判断されるため、
ここでの評価は合否を大きく左右します。
特に応募先企業との直接のやり取りがまだ始まらない段階では、
書類に書かれている内容だけが唯一のアピール材料。
転職エージェントを通して応募した場合でも、最終的には書類の質が
評価を左右するといっても過言ではありません。
履歴書や職務経歴書の内容が企業に与える印象は、非常に大きいものです。
そんな書類選考において、採用担当者が重視する一つが「志望動機」です。
しかし、下記のように悩む方も多いのではないでしょうか。
「具体的に何をどう書けば良いのか…」
「自分の強みや経験を不動産業界とどう結びつければいいのか…」
本記事では、不動産業界への転職を成功させるための志望動機の作り方を
具体例やポイントとあわせて詳しく解説します。最後までお読みいただくことで、
内定獲得に一歩近づく“あなたらしい志望動機”のヒントがきっと見つかるはずです。
不動産業界で採用担当者に響く志望動機を書くための5STEP
不動産業界への転職を検討している方にとって、説得力のある志望動機は
書類選考や面接の合否を大きく左右する重要なカギです。
特に、不動産業界には多岐にわたる分野が存在し、企業ごとに専門性や提供サービスが大きく異なる点が特徴です。
そこで、まずは不動産業界への理解を深めながら、採用担当者に好印象をもってもらえる
志望動機の作り方を5つのステップにわけて解説します。
あなたの経験やスキルをどのように不動産業界で活かせるのか。
読み進めながら、ぜひご自身のキャリアとの接点を見つけてみましょう。
STEP1：不動産業界の基礎知識を押さえる
志望動機を作成する第一歩は、業界の全体像をしっかりと理解すること。
不動産業界と一口に言っても、「開発」「流通」「管理」など、関わる業種や職種はさまざまです。
業界の全体像を把握することで「なぜ不動産業界を選ぶのか？」が明確になり、
志望動機にも説得力が生まれます。
開発・流通・管理など業種を理解する
■ 開発
開発は、土地の仕入れから企画・設計、施工管理まで、多岐にわたるプロセスを一貫して行う分野です。
デベロッパーやゼネコン、ハウスメーカーなどが連携し、地域のニーズや都市計画に合わせて建物の開発を手掛けています。
都市の再開発や大型施設の建設など、スケールの大きなプロジェクトに携わることも多いため、
多方面の専門家と協働しながら高度な知識とマネジメント力が身につけられるでしょう。
規模の大きな仕事に携わることで、大きなやりがいと成長の機会を得られる分野といえます。
また、業務が多岐にわたることから、多様なバックグラウンドを活かせる場です。
■ 流通（仲介）
流通は、不動産の売主と買主、貸主と借主をつなぐ「仲介」の役割を果たす分野です。
街中で見かける「〇〇不動産」や「〇〇リアルエステート」などが、この領域に該当します。
不動産は、顧客にとって一生に一度の大きな買い物であることが多く、信頼関係の構築力・ヒアリング力・提案力が重視されます。
売り物が決まっていないからこそ、顧客の課題に寄り添い、最適な物件・プランを見つけ出す人間力を活かして勝負できる分野です。
また、顧客の要望に応えるためには契約手続きや価格交渉、税制・ローン・法律の知識など、複合的なスキルが不可欠。
経験を積むほどに多角的な視点が身につき、市場を読む力やコンサルティング力が磨かれます。
■ 管理
管理は、不動産オーナーに代わり、物件の維持管理・入居者対応・空室対策・収益性の改善などをトータルで行う仕事です。
近年では投資用不動産の増加により、安定した運用管理へのニーズが高まっています。
オーナーや入居者、業者などさまざまな関係者と連携し、信頼や感謝を得られる点がやりがいの一つ。
トラブル対応やメンテナンスの調整なども多く、コミュニケーション力・柔軟性・実行力が求められます。
また、建築・法律・会計・マーケティングなどなど幅広い知識が求められるため、
不動産のプロフェッショナルとしての強みになります。
学ぶ意欲のある方や、専門性を磨きたい方にもおすすめしやすい分野です。
不動産業界で目指せる職種を理解する
不動産業界では職種も多種多様。職種ごとの役割や特徴を理解しておくことで、
「なぜこの業界を選んだのか？」「自分がどこで力を発揮できるのか？」といった
自己分析が深まり、志望動機の説得力もぐっと高まります。
■ 営業職
営業職は、不動産業界でもっとも多くの人材が活躍する職種のひとつ。
例えば、仲介営業ではお客様の希望条件をヒアリングし、物件の提案から契約までサポートします。
法人営業では開発やテナント誘致など長期的なプロジェクトに関わるケースもあり、
交渉力やプロジェクトマネジメント力が求められます。
成果が数字で見えやすく、インセンティブ制度を導入している企業も多いため、努力が報酬や評価に直結するやりがいがあります。
接客や営業スキルの経験をそのまま活かしやすく、比較的早期から活躍しやすい職種です。
■ 事務・アシスタント職
事務職やアシスタント職は、契約書や重要事項説明書の作成、
顧客データや在庫管理、経理サポートなど、バックオフィスを担います。
フロント業務を支えながらチームの生産性向上にも貢献。
正確さと効率が求められる一方、未経験でも比較的始めやすい職種です。
不動産取引の基礎知識に触れられるため、業務を通じて宅建資格などにチャレンジしやすい環境も整っている場合が多いです。
また、内勤業務が中心となるため、ライフワークバランスを重視したい方にもおすすめしやすい職種です。
■ 企画・開発職
企画・開発職は、街づくりや商業施設の建設など、大規模プロジェクトの企画立案や
収益シミュレーション、施工管理を行います。
関係機関やゼネコン、地元企業など多くの関係者と連携する必要があるため、調整力やマネジメント力が求められます。
規模が大きい分やりがいは大きく、経験を積むほど視野の広がり、キャリアアップにつながる点が特徴です。
中長期でキャリアアップを目指したい方にとって理想的な職種でしょう。
■ 管理職・PM（プロパティマネジメント）
賃貸物件やオフィスビルなどの運営・管理を担うポジションです。
例えば修繕計画や空室対策の策定、収支管理を通じて建物の資産価値を高めながら、入居者が快適に利用できる環境を整えます。
オーナーと入居者の双方の満足度を維持するために、誠実な対応や人間力、調整力が試されます。
長期的な視点で運営に携わる性質上、安定した収益モデルを築きやすいため、
不動産業界の中でも比較的安定志向の強い方に向いている職種といえます。
■ その他（投資・アセットマネジメントなど）
アセットマネジメントや不動産ファンド関連の職種は、不動産を投資対象として運用する仕事です。
高いデータ分析力を駆使して物件の収益性分析からファンドの組成・運用、
レポーティングまでを担い、国内外の投資家と関わるケースもあります。
不動産の知識に加え、金融・経済・会計の知識やデータ分析力が求められるため、
ハイレベルなスキルが必要ですが、その分年収水準も高く、成果が出やすい分野でもあります。
グローバル志向の方や金融領域に強い方にとって、魅力的なキャリアパスです。
不動産業界には多彩な職種があります。
それぞれに異なるやりがいや必要なスキルがあり、「自分の強みをどこで最大限に活かせるか？」を考えながら、
興味のあるポジションにチャレンジしてみると良いでしょう。
また、職種間の異動やキャリアアップ制度が整っている場合が多い点も、不動産業界の魅力の一つです。
ご自身のキャリアビジョンと照らし合わせながら、自分に合った職種を見つけてください。
STEP2：自己分析を行い、強みを明確にする
業界や職種について理解を深めたら、次は自分自身を深掘りしていきましょう。
採用担当者が知りたいことは、あなたの経験やスキルが
「自社や不動産業界でどのように活かせるのか？」です。
STEP2ではしっかりと自己分析を行い、自分の強みを言葉にして伝えることが重要です。
◆ 自分の経験やスキルを不動産業界にどう活かせるか考える
業界が異なっていても、これまでに培ったスキルや経験は決して無駄ではありません。
ポイントは、「何をやってきたか」よりも「その経験をどのように転用できるか」を言語化することです。
■ 営業職の経験がある場合
顧客との折衝経験や目標に向けた営業プロセスの構築・実行経験は、
不動産営業や法人営業の場面でも大いに活かせます。
PDCAを回しながら成果を出す力や数字に対する責任感は、不動産業界でも重宝されるでしょう。
■ 事務職の経験がある場合
契約書類や数値の管理、スケジュール調整などで培った正確性やサポート力は、
不動産業界でも大きなアドバンテージになります。
裏方として営業部門を支えてきた経験がある方は、その強みを積極的に伝えましょう。
■ 他業界の接客・販売経験がある場合
お客様のニーズを引き出し、工夫した提案を通じて信頼関係を築く力は、
不動産営業の現場でも特に役立ちます。
人生や企業の節目となる物件選びに寄り添う場面では、過去の接客スキルが大きな武器になるでしょう。
◆ 志望動機に活かせるエピソードを整理する
自己分析の仕上げとして、自分の経験を「どのように伝えるか」を具体的に考えておきましょう。
「その経験から何を学び、今後どう活かすのか？」について、
面接の場でもスムーズに答えられるよう、事前に言語化しておくと安心です。
■ 達成経験
営業成績の向上、プロジェクトの完遂、業務効率の改善など、
目に見える成果を示す経験は説得力があります。
特に、不動産業界は契約金額が大きいため、目標達成に向けた行動力や
粘り強さは評価されやすいポイントの一つです。
■ 課題克服経験
クレーム対応や予期せぬトラブルを乗り越えたエピソードがあれば、
「問題にどう向き合い、どう行動したか」を具体的に振り返りましょう。
金額が大きな不動産契約には法的要素や調整も多いため、
臨機応変な対応力や問題解決力が高く評価されます。
■ 自主的な学習や資格取得
宅地建物取引士（宅建）の資格取得に向けて勉強中、またはすでに資格を持っている場合は、
学習意欲の高さや業界への本気度を示す材料になります。
ファイナンシャルプランナー（FP）や語学スキルの習得、
セミナー参加なども、向上心のアピールとして好印象につながります。
自己分析は、志望動機の芯をつくる大切なステップです。
経験をただ並べるのではなく、「自分の強みがどんな場面で発揮できるのか」を
明確にすることが、他の応募者との差別化につながります。
自信を持って伝えるためにも、エピソードを言語化し、自分なりのストーリーとしてまとめておきましょう。
STEP3：企業研究を徹底し、差別化ポイントを作る
不動産業界内でも、企業ごとに扱う領域や社風、求める人材像は大きく異なります。
そこで、「なぜこの会社を志望するのか？」を明確に伝えるためには、丁寧な企業研究が不可欠です。
志望動機を通して「この企業だからこそ入りたい」という意志を示すために、
事業内容や強み、ビジョン、競合との違いを深掘りしていきましょう。
◆ 応募先の企業の特徴や強みを把握する
まずは、応募企業の事業内容や得意分野、展開エリアなどの基本情報を整理しましょう。
公式HPの会社概要や採用ページ、IR情報、業界ニュースなどが有効な情報源です。
■ 事業内容・強み
住宅開発が得意なのか、商業施設開発に強いのか、管理・仲介サービスに特化しているのかなど、
企業の事業領域や競合に対する優位性を調べることは必須です。
例えば、大手デベロッパーなら全国規模で街づくりを手掛けるケースが多い一方、
地域密着型の不動産管理会社であれば地元のネットワークや生活視点を重視するなど、
企業の戦略や立ち位置によって求められる人材像も変わってきます。
■ 経営ビジョン・社風
中長期的なビジョンや価値観、キャリア形成の方針もしっかりとチェックしましょう。
企業が将来どのような事業戦略を描いているのか、働き方や組織文化はどのような特徴があるのかを知ることも大切です。
求められる人材像やキャリアパスが自分の方向性や価値観と合致している部分があれば、
それは志望動機として強い武器になります。
◆ 競合と比較し、独自の魅力を見つける
不動産業界は企業数が多いため、類似サービスを提供している場合も少なくありません。
だからこそ、応募先企業は「他社と何が違うのか？」を明確にしておくことが差別化につながります。
■ 競合との差別化
競合企業の特徴や実績も調べ、「他社が◯◯を重視しているのに対し、
貴社は△△に強みを持っている」というように、具体的な違いを示すと説得力がアップします。
例えば「ITを活用した新しい仲介システムを導入している」「高齢者向けリノベーション賃貸に強みがある」など、
具体的なポイントを押さえることで説得力が増すでしょう。
■ 自分とのマッチポイント
企業が大切にしていることと、あなたの経験・スキル・価値観が
どのように合致しているかを言語化しましょう。
例えば、他社にはない独自の教育制度に惹かれた場合は、自分の成長意欲や
これまでの学習経験とリンクさせてアピールすると、オリジナリティのある志望動機になります。
「この企業でこそ、自分の力を発揮できる」と伝えるためには、企業の特徴と自分の経験を具体的に結びつけることが大切です。
企業研究を通じて得た情報を軸に、他社ではなくその企業を志望する理由を明確にし、
「自分だからこそできる貢献」を描くことが説得力のある志望動機につながります。
次のステップでは、こうした企業研究の成果を
どのように志望動機に落とし込むかについて、深掘りしていきましょう。
STEP4：強い印象を与える志望動機の構成を作成する
業界・企業研究、自己分析をひととおり終えたら、いよいよ志望動機の構成を固めていく段階です。
採用担当者に「この人に会ってみたい」と思ってもらえるように要点を抑え、簡潔かつ具体的に伝えましょう。
◆ 志望動機を一文で魅力的に伝える
まず意識したいのは、「結論ファースト」の構成です。
冒頭で志望理由の要点を一文にまとめることで、相手に意図が明確に伝わります。
その後に理由や背景、具体的なエピソードを補足すると、ストーリーとしての説得力が高まります。
結論を後回しにすると伝わりづらくなるため、最初に軸を示すのがコツです。
◆業界選びの理由を自信を持って伝える
不動産業界を選んだ理由として、「業界全体への関心」と「自分のキャリアとのつながり」の両方をおさえて伝えると効果的です。
1.キャリアアップと安定性の両立
例えば「都市再開発や再生事業の需要が高まっている中で、自分自身も地域の成長に関わりながら、
安定したキャリアを築いていきたい」といったように、業界の将来性と自分のビジョンを絡めることでリアリティが生まれます。
2.自分の過去経験との関連性
これまで培ってきた経験が、なぜ不動産業界で活かせるのかを具体例で示しましょう。
「前職で高額商品の営業を通じて信頼関係を築く力を磨きました」「接客業でお客様の要望を汲み取る力を培ってきました」など、
過去の経験が不動産業界のどの仕事にどう活かせるのかを具体的に伝えることが大切です。
◆その企業でなければならない理由を伝える
志望企業の強みや事業方針、社風への共感を盛り込むことで、
「なぜこの会社なのか？」という問いに答えられる志望動機になります。
1.企業の強みや事業方針との関連付け
「貴社が展開する◯◯事業において、⬜︎⬜︎のような価値提供を行っている点に魅力を感じました」といったように、
企業独自の特徴を具体的に取り上げ、自分の経験とつなげて説明することで説得力が高まります。
2.社風・ビジョンへの共感
企業の求める人物像や価値観が自分の志向性とマッチしている場合は、その点を強調しましょう。
「地域密着を大切にする貴社の方針に、私の地元での経験が重なり、共感を覚えました」といったかたちで、
企業の価値観とあなたの志向性がマッチしていることを具体的にイメージさせられるアピールは効果的です。
◆入社後どのように貢献できるかをPRする
採用担当者が知りたいのは、「この人が入社したら、どんな活躍をしてくれるのか？」という未来の姿です。
1.具体的な目標や貢献案
「将来的には◯◯のポジションで◯◯の施策を実践し、事業拡大に寄与したいです」など、
中長期のビジョンと応募企業での役割を合わせてを示すと、「この人は長期的に力になってくれそうだ」という印象を与えられます。
企業が抱えている課題や取り組みに対し、自分であればどのようなアイデアや行動がとれるかを言及できれば、さらに好印象です。
2.自分の強みを“活かし方”とセットで提示
営業力やコミュニケーション力、リーダーシップなどの強みを、具体的にどのような場面で活かせるのか伝えましょう。
例えば「営業経験で培った提案力とヒアリング力を活かし、物件提案の質と契約率向上に貢献したい」など、
スキル単体ではなく貢献度合いとセットでアピールすることがポイントです。
「なぜ業界を選んだのか」「なぜこの会社なのか」「どう貢献できるのか」という3つの柱をつなげれば、
採用担当者にも「企業で活躍するあなたの姿」がリアルにイメージされるはずです。
志望動機は、あなたの強みや価値観を「その企業でどう活かしたいのか」というかたちで伝える絶好のチャンスです。
説得力のある構成を意識して、あなただけの志望動機を作り上げていきましょう。
STEP5：実際に志望動機を書き、添削する
「業界理解」「企業研究」「自己分析」「構成づくり」と、土台はしっかり整いました。
いよいよ仕上げのステップとして、実際の志望動機を文章に落とし込んでいきましょう。
大切なのは、書いて終わりにしないこと。少し時間を置いて見直したり、第三者に読んでもらったりすることで、
より客観的で読みやすい内容に仕上がります。
◆採用担当者が読みやすい文章にするコツ
1.簡潔な文体を心がける
長すぎる一文や、複雑な言い回しは避けましょう。読み手がスムーズに理解できるよう、
一文一意（ひとつの文でひとつの意味）を心がけ、段落や文の区切りを意識して書くのがポイントです。
2.結論→補足説明→具体例の流れ
STEP4でも解説した通り、まずは「志望理由」を簡潔に示し、
そのあとに「なぜそう思ったのか」「その根拠となる経験やスキル」を補足しましょう。
「まずは答えを伝える」ことで、論理的な印象を与えられます。
3.専門用語の使い方に注意
不動産業界だけでなく、専門用語や法律用語は採用担当者にとって馴染みがない可能性があります。
必要ならば簡単な補足を入れたり噛み砕いた表現にしたりして、使いすぎないように気をつけましょう。
◆よくあるNG例とその改善ポイント
NG例：「不動産業界は今後も需要があると思ったため志望しました」
改善案：「再開発や高齢化対応などの社会的ニーズが高まるなか、
◯◯（例：地域密着型の住まいづくり）に取り組む貴社に魅力を感じ、私の提案力を活かしたいと考えました」
具体的な市場動向や領域（開発、流通、管理など）に魅力を感じるのかを述べ、自分の経験や強みとつなげると説得力が増します。
NG例：「社会貢献がしたいからです」
改善案：「貴社が行う高齢者向け住宅の開発は住環境の課題解決に直結しており、私も前職の◯◯の経験を活かし、現場で貢献したいと思いました」
応募企業がどのように社会に貢献しているかを調べ、それに対して自分がどのようなスキルや経験を活かしていけるかを具体的に示しましょう。
NG例：「御社の安定性に魅力を感じました」
改善案：「全国規模のネットワークや収益性の高い◯◯事業を通じ、安定的かつ継続的に成長している点に惹かれました。
私も、その中で◯◯として長期的に成長し、貴社の中核を担える人材になりたいと考えています。」
ただ「安定している」だけでなく、その企業がなぜ安定しているのか、成長性やサービスの差別化などの根拠を踏まえ、
自分が長期的にどう貢献できるかを述べることで、志望動機に深みが生まれます。
文章を仕上げたら、「主語と述語は噛み合っているか？」「専門用語に偏りすぎていないか？」
「『この会社ならでは』の具体的な理由が書けているか？」など、必ず第三者目線で読み直す時間を確保しましょう。
最終チェックを丁寧に行うことで、あなたの想いがよりストレートに伝わり、読み手の心を動かす志望動機に仕上がるはずです。
不動産業界が求める人物像とは？
企業によって求める人物像は異なりますが、共通して重視されやすいスキルや適性が存在します。
志望動機を作成する際はこれらを意識し、「自分はどう活かせるか」を伝えることで、説得力が一段と高まるでしょう。
企業が重視するスキル・適性
■ コミュニケーション能力
不動産業界では、物件のオーナー、入居者、売主・買主、仲介先、金融機関など、多様な関係者と日常的にやり取りします。
特に、金額の大きな取引や人生の節目に関わることも多いため、相手の要望を正確に汲み取り、
信頼感を与えられる提案力や細やかな気遣いが不可欠です。
■ 忍耐力と柔軟性
不動産取引や開発プロジェクトは、契約締結までに長い時間を要することも多くあります。
大規模なプロジェクトほど、調整や交渉の過程でイレギュラーも発生しがち。
予定変更やトラブルにも柔軟に対応しつつ、諦めず前向きに解決策を見出す粘り強さが求められます。
■ 数値管理や学習意欲
近年では、不動産投資や資産運用型のビジネスが広がりを見せており、
数値やデータに基づいた分析力や提案力も重視されています。
資格取得やセミナー参加など、積極的に学ぶ姿勢そのものが高評価の対象になるでしょう。
未経験者こそ「学び続けられる人材」が求められています。
未経験でも活かせる経験とは？
不動産業界が初めての方でも、他業界での経験がダイレクトに活かせる場面は多数あります。
大切なのは「自分の得意分野がどのように業務に結びつくか」を具体的にイメージすることです。
◆他業界で培ったスキルをどう活かすか
営業職や接客業でのコミュニケーション力や提案スキルは、
不動産仲介や賃貸営業などのフロント業務で即戦力として活かせるものです。
住宅やオフィス探しは人生やビジネスに直結する大きな買い物だけに、
丁寧なヒアリングと寄り添う姿勢が成果に直結します。
また、事務職や経理などで培った正確性や管理能力が求められる業務は非常に多いです。
契約書や重要事項説明書の作成、物件管理システムへのデータ入力などに即応用できます。
特に不動産契約は重要な書類が多いため、「ミスなく期日どおりに処理できる能力」は重宝されます。
◆生活環境や地域への知識を活かす方法
地域密着型の不動産会社では、「地元のことに詳しい」というだけでも立派な強みになります。
「このエリアは公園が多く、ファミリー層に人気」「◯◯駅は交通アクセスが良く、単身者におすすめ」など、
生活視点でのアドバイスができるとお客様からの信頼も得やすくなります。
ネット検索では手に入らない生きた情報として、接客や営業トークの大きな武器になるでしょう。
このように、不動産業界では「未経験だからダメ」ではなく「これまでの経験をどう活かすか」を
自分の言葉で語れるかどうかがポイントです。
必要とされる適性を意識しながら、自分のスキルや経験を具体的なエピソードとともに
志望動機に盛り込むことで、説得力あるアピールが可能になります。
志望動機の例文集（職種別・経験別）
ここからは、実際に使える志望動機の例文を「未経験者向け」「不動産営業向け」「不動産事務向け」の3つに分けて紹介します。
あくまで例文のため、応募する企業の事業領域や社風、募集要項などに合わせてカスタマイズすることを前提に活用してみてください。
未経験者向けの志望動機例
◆未経験者でもアピールできる点を前面に出す
例文 私は、これまで接客業で培ってきた「お客様の要望を丁寧にヒアリングするスキル」を不動産業界で活かしたいと考えています。
特に不動産は、お客様にとって人生の大きな買い物や重要な決断となることが多いです。
私はそのような場面でこそ丁寧な対応が不可欠だと考えており、これまでに培った接客経験を強みに、
お客様のニーズを正確に把握し、誠実に対応することで信頼関係を築きたいと思っています。
未経験ではありますが、独学で宅地建物取引士の勉強を始めるなど、知識面も強化している最中です。
今後も学習意欲を持って業務に取り組み、貴社の発展に貢献できるよう尽力いたします。
ポイント
不動産営業向けの志望動機例
◆営業に必要な能力や意欲を強調する
例文 前職では、法人向けの提案営業として年間売上を前年比120％達成するなど、
目標達成に向けた行動力とコミュニケーション力を磨いてきました。
不動産営業ではお客様一人ひとりのニーズや将来設計をヒアリングし、最適な物件や投資プランを提案する力が求められると思います。
これまで培ってきた提案営業の経験を活かし、貴社が力を入れている投資用不動産の販売拡大に貢献したいと考えています。
また、すでに宅地建物取引士の資格を取得しており、契約締結までの法的手続きや説明責任を果たせる点も強みだと自負しております。
ポイント
不動産事務向けの志望動機例
◆サポート業務や細かい作業の得意さをアピール
例文 現在は、一般事務として経理や顧客情報の管理、各種書類の作成・整理を行っています。
ミスのない仕事を心掛けており、請求書作成の際はダブルチェック体制を整えるなど、正確性と効率性を追求してきました。
不動産事務においても、契約書や重要事項説明書など、正確さとスピードが問われる業務が多いと思います。
これまでの事務経験で培った細やかな確認作業やスケジュール管理能力を活かし、貴社のバックオフィスを支える存在として貢献したいと考えています。
また、お客様とのやり取りが発生する場面でも、丁寧かつ迅速な対応を心掛け、社内外の円滑なコミュニケーションに努めます。
ポイント
不動産業界では業務内容や求められるスキルが多岐にわたる分、
自分の経験や強みをどう活かせるかを“自分の言葉”で語ることが大切です。
どの職種でも、営業実績や事務作業の正確性などを具体的な数字やエピソードで示すと説得力が高まり、
企業独自の事業領域・強み・社風を理解したうえで自分のスキルをどう結び付けるかを明確にすれば、さらに評価されやすくなるでしょう。
また、未経験の方も「学ぶ姿勢」「資格取得への取り組み」などを前向きに伝えれば、
業界への熱意と可能性をしっかりアピールできます。
本記事の例文やポイントを参考に、自分自身のキャリアや応募企業の特色に合わせて、
あなただけの志望動機を作り上げてみてください。
転職活動が納得のいくものになるよう、心から応援しています。