会社に属さない働き方を望み、独立した上で、不動産業を営むことを夢見ている方もいらっしゃることでしょう。
この記事では未経験から独立する際に壁になるポイントと解決策について、分かりやすく解説しますので、ぜひ参考になさってみてください。
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未経験でも不動産業で独立できる?
実務経験がない未経験の人でも不動産業で独立することができるのか、不安に思っている人もいるでしょう。結論からお伝えすると、「未経験でも独立することは可能」です。
ただし、独立の難易度はかなり高く、開業後はさらに大変だと考えておきましょう。
その理由についてはこれから詳しく説明します。
未経験の独立で壁になるポイント1:宅建士の資格取得
不動産業で独立する際に壁になるポイントは宅地建物取引士(宅建士)の資格取得です。一人で独立するには自分が資格を取得しなければなりません。
独立する際に必ず必要な宅建士の資格について、詳しく解説します。
不動産業界業には宅建士の資格が必要
不動産業を行うには宅建業者として登録する必要があります。そのためには宅建士の資格が必要で、一人で事業を行う場合には自分が宅建士の資格を取得しておかなければなりません。
また宅建業法では各事務所に従業員5人につき1人以上の割合で宅建士の資格を持った人を配置することが定められているため、不動産業を営むために宅建士の資格は必要不可欠です。
宅建士資格取得の難易度
宅建士の資格試験は年に1度実施されており、合格率は15~18%程度 になっています。個人差はありますが、合格するための勉強時間の目安は300時間程度と言われています。
宅建業に従事していれば試験にて5問免除される制度もありますが、未経験者であれば要件を満たすことができないため、専門学校や独学でしっかりと勉強し、合格を目指すことが重要です。
年に1度しか実施されない試験の為、不合格の際には独立も来年に持ち越しとなりますので、合格に向けて、計画的に勉強をする必要があります。
解決策:雇うこともできる
宅建士の資格取得についての問題は、もしも自分が資格取得できない場合でも、宅建士の資格を持った人を雇うことで解決することが可能です。必ずしも代表者が宅建士の資格を所有している必要はありません。
しかし、有資格者を雇うことで人件費が必要になり、独立時から人件費がかさむため、事業が軌道に乗るまでの収支の管理はより厳しく行う必要があるでしょう。
また有資格者が退職するリスクもありますので、なるべく早いタイミングで自分が宅建士の資格を取得することをおすすめします。
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未経験の独立で壁になるポイント2:資金調達が難しい
未経験で独立する際には資金調達が難しいことが壁になります。実績がない状態で金融機関から融資を受けることは難しいと理解しておくことが重要です。
独立の際にはある程度のまとまった資金が必要ですが、どのくらいの資金があればよいのか、また、資金調達が難しいという壁をどのように乗り越えれば良いのか、詳しく見ていきましょう。
不動産業界業に必要な資金の目安
不動産会社を開業する際に必要な初期費用の目安について説明します。宅建協会入会費(東京都の事例) | 約155万円 |
宅建業免許申請費用(都道府県知事) | 33,000円 |
事務所費用・駐車場費用 | 0円 |
事務所備品 | 約100万円 |
行政書士費用(法人設立・宅建業申請) | 約35万円 |
開業後の運転資金 | 約100万円 |
合計 | 約300万円 |
自宅にて開業した場合で計算し、開業後の運転資金を約100万円で考えた場合に、初期費用で約300万円が必要になります。
それでは項目ごとに内容を詳しくみていきましょう。
宅建協会入会費
不動産業を始める場合には営業保証金1,000万円を法務局に供託する必要がありますが、宅建協会に加入することで、営業保証金の支払いが免除されます。
初期費用を抑えるためには、宅建協会への加入が現実的でしょう。
表には公益社団法人東京都宅地建物取引業協会 の入会費用を記載しています。
宅建協会は2団体ある上に、各都道府県で費用が異なりますので、開業予定の都道府県の費用を確認しておくことが重要です。
宅建業免許申請費用
独立する際には都道府県もしくは国土交通大臣の免許を受ける必要があります。
1つの都道府県のみに事務所を設置する場合は、都道府県知事免許が必要で申請に33,000円必要です。
また、複数の都道府県に事務所を設置する場合は、国土交通大臣免許が必要で申請に90,000円が必要になります。
独立する際には都道府県知事免許を取得することが一般的でしょう。
事務所費用
自宅を事務所とする場合を考え、事務所や駐車場の費用は0円としてありますが、賃貸で事務所を借りる場合には家賃の3~4ヶ月分の費用が必要になります。
事務所備品とはパソコンやプリンター、電話、会社印やデスク、看板などの費用です。
自宅開業でもある程度の備品が必要ですので、予算を見ておきましょう。
行政書士費用
法人設立や免許申請は自分で行うことも可能ですが、かなりの手間と時間を要しますので、自分でやるべきかどうか考えてみましょう。
自分で行えば、行政書士へ支払う手数料分の10万円程は削減することができます。
開業後の運転資金
不動産業では開業後にすぐに手数料収入が得られるとは限らないため、当分の生活費と運転資金を準備しておく必要があります。
自宅にて一人で開業する場合は、ある程度運転資金が少なくても良いかもしれませんが、賃貸で事務所を借りる場合や、宅建士を雇用する場合にはもっと多くの運転資金が必要でしょう。
資金調達には実績が求められるのが基本
金融機関から融資を受ける際には、実績を求められることが多く、不動産業界での経験がない状態で独立し、融資を受けることは難しいでしょう。実績がない開業時には銀行よりも日本政策金融公庫に相談する方が融資をしてもらえる可能性は高いと言われています。
解決策:自分でお金を貯めることで解決できる
先程紹介したように、開業時には200万円~300万円の費用が必要になります。この費用を金融機関からの融資ではなく、開業までの間に自分で貯めておくことで、開業時の資金調達が難しいという問題を解決することが可能です。
自分で費用を準備することを考えると、結果次第では高収入が期待できる不動産業界に転職して働くことで、効率的に費用を稼ぐことができるかもしれません。
また、不動産業界の現場で実務経験を積むこともできます。
不動産業界に転職することで「お金を貯めること」と「不動産業界での経験を積むこと」が可能で一石二鳥です。
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未経験の独立で壁になるポイント3:ノウハウや営業力が求められる
不動産業という未知の分野で独立する際に、ノウハウや営業力がないことが課題となります。やはり、不動産業を継続的に営む上で、ノウハウや営業力が必要になってくるでしょう。
どのようにノウハウや営業力が求められるのか、詳しく説明します。
不動産業を営むノウハウ
不動産業で独立をすることができても、自分に不動産業での経験がなければどのように経営をしていけば良いのか、全くわからないはずです。まずは不動産業界の慣習や取引の流れなどから勉強する必要があります。
不動産業で収益を上げるために必要な営業力
不動産業で収益を上げるためには、まずお客さんを呼び込む力が必要です。ある程度の数の見込みのお客さんがいなければ、収益を安定させることができません。
次に、呼び込んだお客さんと契約するための力が必要になります。
数多くの不動産会社の中から、選んでもらい、契約することができなければ収益を上げることができないため、なるべく早いタイミングで営業力を高めていくことが重要です。
解決策:不動産業界に転職してノウハウや営業力をつけるのがおすすめ
未経験で独立し、自分なりに努力をしてもノウハウや営業力は簡単に身につくものではないでしょう。その課題を解決する方法として、不動産業界に転職して現場でノウハウや営業力を付けることがおすすめです。
給料を貰いながら、独立後に必要なノウハウや営業力を身に付けることができるため、独立の準備も非常にスムーズに進むでしょう。
短期間でも良いので、まずは不動産業界に転職し、現場の経験を積んだ上で、ノウハウや営業力を身に付けてから独立することで、独立後の事業展開も順調に進むことが予想できます。
結論:未経験でも独立できるが不動産業界へ転職するのがおすすめ
未経験でも独立することは可能です。それでも未経験で独立するよりも、独立前に不動産業界に転職することによるメリットが多いため、一度不動産業界に転職することをおすすめします。
不動産業界での経験がなくても、独立後にどのような事業を中心に行っていきたいかというイメージはあるでしょう。
不動産業の中にも様々な業種があるため、実際に独立したい業種で実務経験を積むことが大切です。
不動産業界に特化した人材紹介サービスのリアルエステートWORKSであれば不動産業界の経験がなくても求人を紹介してもらうことが可能です。
豊富な求人情報に加え、一般公開されにくいリアルな内部情報にも精通しているため、将来の独立に向けて最適な企業を紹介してもらうことができます。
不動産業界に詳しい転職エージェントからサポートを受けられる点も安心材料です。
不動産業界への転職の際にはぜひ利用してみてください。
独立前に不動産業界へ転職するのがおすすめ
本記事では、未経験からでも不動産業で独立できるのか、また独立の際に壁になるポイントと解決策について説明してきました。未経験でも独立するのは可能ですが、安定的に不動産業を営みたいと考えている方には、一度不動産業界へ転職し、経験を積んでから独立することをおすすめします。
不動産業界で働きながら、独立までの準備として、宅建士の資格取得、独立時の費用の準備、ノウハウや営業力を身に付けることでスムーズに独立することができるでしょう。
不動産業界への転職の際にはしっかりと経験が積めそうな会社かどうか確認することが大切です。
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