アセットマネジメントとは、投資家から預かった株式・債権・不動産など、さまざまな資産を運用して収益をあげることを専門にした仕事です。
アセットマネジメントの仕事では高い専門知識が求められ、特に不動産や金融業界での経験が活用できます。
しかし、アセットマネジメント会社に転職する方法や、具体的に必要となるスキルはあまり知られていないのではないでしょうか。
そこで本記事ではアセットマネジメントの転職難易度や、所持していると有利な資格について詳しく解説します。
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転職前に知っておきたいアセットマネジメントの知識
転職を検討する前に、アセットマネジメントとはどんな仕事なのか、年収相場はどの程度なのかといった基本的なことを知っておく必要があります。以下に詳しく解説しますので参考にしてください。
アセットマネジメントの職種や仕事内容
「アセット」とは資産・財産、「マネジメント」は管理・経営などを意味しています。すなわち資産運用のプロとして、投資家の利益に貢献する仕事といえます。
ただし、アセットマネジメントの中にも、さまざまな職種があるため、転職を検討する場合は、自分の知識を活かせる職種を目指すことが大切です。
アセットマネジメント主な職種としては、以下の4つがあげられます。
・ファンドマネージャー
・アナリスト
・エコノミスト
・クオンツアナリスト
ファンドマネージャーは資産運用全般の責任者として、意思決定をする立場の職種です。 総合的な観点から考えなければならないため、幅広い知識が求められます。
一方、その他3つの業種は、ファンドマネージャーが投資判断するための情報を提供する立場の職種といえます。
アナリストは企業ごとの分析、エコノミストは地域単位での経済分析を行い、クオンツアナリストは金融工学のスペシャリストとして高度な数理モデルなどを用いて金融商品の分析を行います。
いずれの職種も、金融のプロとしての知識が求められるため、転職するためには高い専門知識が必要となります。
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アセットマネジメントの年収相場
アセットマネジメントは全体的に年収が高い業界と考えられています。以下は代表的なアセットマネジメント会社3社の平均年収です。
・野村アセットマネジメント:約900万円
・三井住友DSアセットマネジメント:約847万円
・大和アセットマネジメント:約575万円
※en Lighthouse(エン ライトハウス)参照
日本の平均給与が400万円ほどなので、かなり高い水準であることがわかるでしょう。
ただし、上記で紹介した職種によっても年収が変わるので注意が必要です。
一般的には、すべての業務を束ねる立場であるファンドマネージャーの年収が高くなる傾向にあります。
アセットマネジメントの転職難易度
実際にアセットマネジメントに転職するにはどうすれば良いのか、また転職の難易度は高いのかどうか、考えていきましょう。未経験者の転職は厳しい
前述したように、アセットマネジメントは投資のスペシャリストとしての知識が求められる仕事です。募集の数自体が少ないうえ、専門知識を有していることが前提となるため、転職の難易度は高く、未経験での転職は非常に難しいと言わざるを得ません。
中には未経験者を採用している会社もありますが、年齢は30代前半以下の若い世代を対象としているケースが多いです。
基本的には後述する金融・コンサル・不動産業界でキャリアを積んだり、資格を取得したりしたうえで転職を考えることをおすすめします。
金融・コンサルティング業界の経験があると有利
アセットマネジメントの業務では金融・コンサルの知識がとても活かせます。金融業界では資産運用や投資に関する業務を扱うことが多く、資金調達のノウハウも身につくため、スキルが直接実務に活かせます。
また、コンサルティング業界での経験があると、市場を分析して投資戦略を立てることに慣れているため、業務に適応しやすいと言えるでしょう。
したがって、これら2つの業界出身者は転職に有利といえます。
不動産業界の経験も活かせる
アセットマネジメントでは投資対象として不動産を扱う場合も多いです。そのため、不動産業界での経験を活かすことが可能です。
特に不動産の価値を見極める力が求められるので、不動産売買の実務経験があると有利でしょう。
さらにデベロッパーなどで物件の売買経験があり、DD(デューデリジェンス)の知識をもっている人は知識を十分に活かせるでしょう。
ただし、これらはアセットマネジメントの業務の一部に過ぎず、他に習得すべきスキルも多くあることを理解しておいてください。
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アセットマネジメントに転職するなら押さえておきたい資格5選
アセットマネジメントの転職に有効な資格を5つ以下に紹介します。宅地建物取引士
不動産売買や賃借における重要事項の説明、重要事項説明書面の記名・押印、賃貸借契約書の記名・押印などの専権業務が与えられた資格です。不動産業を営む場合、ひとつの事務所で業務に従事する者5人に対して1人の割合で設置が義務付けられています。
知名度も高く、誰でも受験することが可能であるうえ、後述する資格ほど難関ではありませんので、アセットマネジメント会社を目指すなら、初めに取得しておきたい資格です。
なお、宅建試験の合格率は15%程度で推移しており、相対評価であるため合格基準点が年によって変動する点に注意しましょう。
不動産鑑定士
不動産の鑑定評価に関する法律に基づき制定された国家資格です。不動産の鑑定評価のほか、土地の有効利用などのコンサルティングを業として行うことが可能になります。
土地や建物といった不動産を鑑定し、適正な金額を導き出すスキルが身につく本資格を取得すれば、物件取得の場面において大いに活かせるので、アセットマネジメント会社も高く評価されるでしょう。
合格率は32~33%程度ですが、試験のボリュームが非常に広く、日本3大難関資格として知られているほど難易度の高い資格です。
不動産・金融業界でのある程度の経験を積んだ人向きの資格といえるでしょう。
不動産証券化協会認定マスター
不動産投資や金融のプロとしての知識が身につく資格です。この資格を所持していれば、不動産・金融の幅広い専門知識、スキルを所持していることを証明できます。
取得するには、マスター養成講座(コース1)をWEB講義で受講後、修了試験に合格する必要があります。
さらにマスター養成講座演習編(コース2)で、レポートの提出・スクーリングでの確認テストを受け合格しなければなりません。
※実務経験があれば、マスターに認定。金融や不動産の分野で2年以上の実務経験がなければアソシエイトとして認定される
マスター養成講座(コース1)修了試験の合格率は、毎年35%程度なので、さほど難関資格ではないように感じられます。
しかし、受験している人の多くは、大手不動産会社、証券会社、金融機関などの社員であり、不動産・金融の知識や経験が豊富な人が受験しているため、合格は容易ではないと考えておきましょう。
証券アナリスト
金融市場を分析・調査するためのプロフェッショナルであることを証明できる資格です。この資格を取得すれば、アセットマネジメント業界で働くために必要な金融の知識が包括的に身につくでしょう。
特に株式・債券といった有価証券、ポートフォリオ構築が学べる証券分析の科目は、アセットマネジメントの業務上、重要な知識が網羅されています。
証券アナリストを取得するためには、「日本証券アナリスト協会」が実施する試験に合格する必要があります。
ただし、誰でも受験できるわけではなく、「日本証券アナリスト協会」の通信講座を受講することが条件となっています。
また、二次試験に合格しても、実務経験が三年未満である場合、すぐには証券アナリストに登録することはできません。
以上を踏まえると、難易度はかなり高めの資格と捉えるべきでしょう。
不動産コンサルティングマスター
不動産コンサルティング業務の専門知識が得られる資格です。必要な一定水準の知識や技能、実務経験を有していると認定され、公益財団法人不動産流通推進センターに登録された人に与えられている資格で 資格を取得するためには、公益財団法人不動産流通推進センターによって実施される不動産コンサルティング技能試験を受験して合格しなければなりません。
近年の合格率は40~50%程度であり、低い合格率ではありませんが、本試験を受験するには以下のいずれかを満たす必要があります。
・宅地建物取引士資格登録者で、現に宅地建物取引業に従事している人、または今後従事しようとする人
・不動産鑑定士で、現に不動産鑑定業に従事している人、または今後従事しようとする人
・一級建築士で、現に建築設計業・工事監理業等に従事している人、または今後従事しようとする人
宅建・不動産鑑定士・一級建築士などの難関資格を所持している人限定であるため、受験する人のレベルもかなり高いと考えられます。
また、試験に合格した後も5年以上の実務経験がなければ「公認不動産コンサルティングマスター」を名乗れることはできません。
前述した証券アナリストと同様、試験合格と実務経験の両方が求められることから、希少性の高い資格であるといえます。
まとめ
以上、アセットマネジメントの転職難易度や、所持していると有利な資格について解説してきました。アセットマネジメント会社への転職は、不動産や金融業界での実績がある人でなければ困難といえます。
また、ご紹介した資格は試験の難易度が高いうえ、宅建を除き受験の条件が設けられており、実務経験がなければ正式に取得できないものもあるため、取得するにはかなりの時間と労力を要するでしょう。
しかし、アセットマネジメントの業務では資産運用の専門知識が必須になるため、転職活動する際のアピールポイントとしては非常に有効です。
とはいえ、いきなり難関資格に挑戦しても合格は困難なので、まずは資格の取得条件や難易度を理解して、取得できそうなものから目指すようにしていきましょう。
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