実際に不動産営業の経験を積んでから独立する人は多くいます。
契約時の手数料のほとんどを会社に入れ、自分には少ない歩合しか入らない状況に不満を持ち、自分でやった方がより稼げると考えて独立する人が多いようです。
この記事では不動産営業が独立しやすい理由や、独立後に陥りやすい注意すべき点について解説を行いますので、記事を読んだ上で退職や独立をする前によく検討してみましょう。
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不動産売買仲介業が独立しやすい3つの理由とは
不動産業界は他の業界と比べても、とても新規参入の多い業種です。 不動産会社で売買営業を経験した人が、ある程度の顧客基盤を確立した上で独立し、自分で事業を始める流れも多く見受けられます。 こちらでは不動産営業が独立しやすい3つの理由について説明します。仲介であれば在庫を持つ必要がない
不動産会社は仲介業であれば土地や建物の在庫を持つ必要がありません。売りたい人と買いたい人の仲介役ですので、物件を購入する必要がありません。 独立するために設備投資や立派な事務所、商品や原材料の仕入れなどの初期投資はほぼ不要なため、非常に独立しやすい業種となっています。
事務所はマンションのワンルームでも充分です。 不動産業は店舗が必要な業種や設備が必要な業種に比べて、開業費用も安く済ませることが可能です。
営業力だけで独立可能
不動産の売買仲介であれば、営業力だけで独立可能です。営業で結果を出せば、手数料の収入が得られますので、いかに多くの契約を決めることができるかが重要なポイントになります。 多く契約を決めることができる営業力があれば、独立してもやっていくことができるでしょう。
営業社員を雇う場合でも固定費を安くできる
不動産業の営業社員はフルコミッション制(完全歩合給)や歩合率の高い給与制度での採用が一般的なため、給与の固定費を安くすることができます。フルコミッション制の給料は固定給がなく、売上金額に応じた分だけインセンティブが支払われます。また固定給が低く、歩合率が高く設定してある場合が多いです。
固定給を低くすることで経営上の数字で負担となる人件費を抑えることができます。 つまり契約を取ってこない営業社員にはあまり給与が払われない給与制度となっている企業が多く、営業社員を採用しても、固定費を抑えることが可能です。
契約を取れば売り上げも確保することができますので、契約を獲得した社員にはその中から歩合給を多く支払います。 売り上げが上がらない状況でも固定費が低く抑えられているため、リスクを軽減できます。
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独立しやすい=成功しやすい、ではないよくある失敗事例
独立のしやすさが、そのまま成功のしやすさ、という事にはなりません。不動産業は独立のしやすい業界だといわれていますが、当然廃業する不動産業者も多数あります。 簡単に独立できるからと言って、独立するのではなく、しっかりとした営業戦略を持った上での独立がおススメです。
独立した不動産会社が失敗するには理由があります。 よくある失敗事例を紹介し、失敗してしまいやすい理由を具体的に説明します。
キャッシュフローを管理できていない
不動産業の独立が失敗してしまう理由はキャッシュフローを管理できていないということがあります。どんぶり勘定になり、キャッシュフローの管理が甘くならないように注意が必要です。営業は得意だけど、事務仕事は苦手というタイプにキャッシュフローの管理ができない人が多い傾向があります。 起業直後は資金繰りにシビアな場合が多いですが、ある程度収入が軌道に乗ってきた頃に支出が増え始め、資金繰りが甘くなりがちです。
独立して1年目は前職の付き合いなどもあり、売り上げの見込みを立てやすいですが、2年目以降に売り上げが減少し、支出が多くなってくると、一瞬で資金繰りが悪化していきます。
会社では当たり前に置いてある備品関係も自分で用意していくと細かな出費が積み重なって大きな出費になることに気が付くでしょう。毎月の固定費を抑え、収入と支出のキャッシュフローの管理をしっかりと行うことが大切です。
不動産業は契約が決まって、手数料として収入が得られるまで時間がかかりますので、その点も理解しておきましょう。 開業時に開業して3ヶ月間ほどの生活費や営業費用を準備しておくことをおススメします。
会社の看板を自分の営業力と思っていた
会社の看板を自分の営業力と勘違いしていたため失敗してしまう場合もあります。今まで集客や契約ができていたのは会社の看板のお陰だったということに気が付かず、自分の実力だと考えていると、独立後に思うように結果を出せない場合があります。 今までの実績は自分の実力によるものか、今一度考えてみましょう。
会社の看板の力で売れていただけ、という可能性もあります。
前に勤めていた会社が大きな会社であれば大きな看板の力を持っているでしょうし、小さな会社でも地元から信頼を得ているものです。
在職中に会社の看板が無くとも信頼して付き合える人間関係を構築するとともに、自分の実力を過大評価することなく客観的に自分の営業力を見つめてみましょう。 また、その期間に確実に営業力を身に付け、経営の勉強もしておくことをおススメします。
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不動産営業で独立するにはどのくらいの費用が必要?
先程、不動産営業での独立には他の業種に比べて初期費用があまりかからないと説明しました。 ここでは開業費用や事務所費用、備品関係で具体的にどのくらいの費用が必要なのか説明します。宅建業の開業費用
まずは宅建業の免許を取得するために必要な費用を説明します。宅地建物取引業免許の申請を行い、厳格な審査に通ってから、不動産業を営むことが可能です。内容 | 費用 |
免許申請料(都道府県知事免許) | 3,3万円(国土交通大臣免許9,9万円) |
宅建協会 入会費 | 130万円~170万円程 |
行政書士費用(免許申請) | 15万円程 |
合計 | 約150万円 |
宅建協会への入会費や年会費は各都道府県により異なりますので、確認が必要です。免許申請の手続きを自分で行えば、行政書士費用を抑えることができます。免許申請料・申請のための手数料・宅建協会への入会費でおよそ150万円の費用が必要です。
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事務所費用やその他諸経費
不動産業で独立する際には事務所が必要になります。内容 | 費用 |
事務所家賃 | 6万円 |
契約時敷金(家賃2ヵ月分) | 12万円 |
契約時礼金(家賃2ヵ月分) | 12万円 |
駐車場 | 1万円 |
事務所で必要な備品の費用についても考えておきましょう。
業務に欠かせないプリンターやネット環境を整えるのにも費用がかかります。
内容 | 費用 |
プリンター | 3万円~50万円 |
電話開設費・電話本体 | 10万円 |
インターネット工事・ルーター | 3万円 |
デスク・チェアー | 30万円 |
印鑑・名刺・事務備品 | 30万円 |
合計(事務所費用+諸経費) | 約100万円~150万円 |
ワンルームマンションを借りて事務所にすることで上記のような費用が必要となります。
不動産会社を開業し事務所を設けるとなると、予備費を考えて約300万円が必要です。
まとめ
不動産営業は独立が多いですが、その理由や失敗する要因について説明を行いました。また、独立を考えている人へ開業の際に必要な資金についても具体的に紹介しました。他の業種に比べて開業資金が少なく住むとは言っても、多額の費用が必要となります。
特に不動産売買の仲介業で独立が多いと思いますが、売買仲介は完全な実力主義の世界です。 成功すれば会社員時代よりも多くの収入を手にすることができる反面、失敗する事例も多く見受けられます。
独立してから売り上げを作ることができるかどうかは営業力次第です。独立前に十分な営業力を身に付け、また信頼できる人間関係を構築できるよう日々の業務に励みましょう。
また、開業資金もある程度は必要になりますので、事業が軌道に乗るまでの生活費も含めて準備をしておきましょう。
目先の儲けだけではなく、中長期的な目線で考えておかなければ、将来的に失敗する可能性が高まります。 独立した際にはスムーズに営業を始められるように、着実に準備を進めておくことをおすすめします。
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