利益を上げている企業と聞くと、多くの人が大企業を思い浮かべると思いますが、より効率的に利益を出している企業は一体どこなのでしょうか。今回は上場している不動産会社137社(売上高を非公開としている63社を除く)を対象に、売上高に含まれる営業利益の割合を調査しました!

※各企業の有価証券報告書や会社四季報などを元に当社で編集をしております。

第1位 不動産業界利益率:JALCOホールディングス株式会社  62.01%

アミューズメント業界向けの貸金業および不動産事業の2本柱を軸にビジネスを展開するJALCOホールディングス。新型コロナウイルスの影響をものともせず、3月期第一四半期の売上高は前年度比で23.4増、営業利益は17.4%増と多くの企業が苦戦する中で成長を続けています。特に直近の不動産賃貸業においては商業施設のための用地仕入れを積極的に行い、大きく売上に貢献しています。

利益率の高さは社員の平均年収1,000万円という数字にも表れており、平均年収ランキングではいちご株式会社に次ぐ6位にランクインしています。

今後は物流施設用の不動産開発にも注力する予定で、さらなる飛躍が期待されています。

 

第2位 不動産業界利益率:株式会社ランド  53.23% 

1996年に創業し、2003年に上場を果たした株式会社ランドは、横浜や多摩エリアを中心に事業を展開している企業です。かつてはマンションの企画・開発、販売を手がけていましたが、10年ほど前に業績が悪化しシフトチェンジ。現在は不動産投資事業および再生可能エネルギー関連投資事業を主に行っており、権利関係が複雑な物件の調整も得意としています。利益率からも分かるように、現在では業績も回復しています。

また、リノベーション事業も展開しており、今ではトータルな不動産サービスを提供する企業へと成長を遂げています。

 

第3位 不動産業界利益率:日本アセットマーケティング株式会社  36.91% 

ドン・キホーテを運営するPPIHを筆頭株主に持つ日本アセットマーケティング。主にビルの賃貸や不動産管理を行い、計125施設を全国各地に保有。うち、105施設がドン・キホーテの商業施設です。経営は非常に安定しており、2020年3月現在において、7期連続の増益を記録しています。

また、環境に配慮した物件管理にも寄与しており、電力削減のプランなどを各テナント様に提案しています。

中途採用では、商業施設の建物管理やテナント運営業務のポジションを募集しています。

 

第4位 不動産業界利益率:京阪神ビルディング株式会社  35.34%  

1948年創業と長い歴史を持つ京阪神ビルディング株式会社は大阪を拠点とし、オフィスビルや商業施設、場外馬券売り場の賃貸事業や不動産管理事業を行う東証一部上場企業です。利益率第1位のJALCOホールディングスと同様に、利益率の高さは年収にも反映されており、社員の平均年収は913万円となっています。

保有しているビルは大阪が多いですが、首都圏も開拓しており、2020年11月には虎ノ門エリアにおいて開発を進めるオフィスビル、虎ノ門ビルが竣工予定です。

 

第5位 不動産業界利益率:株式会社テーオーシー  33.88%

京阪神ビルディング株式会社と同様に長い歴史を持つ株式会社テーオーシーの創立は、大正時代の1926年です。総合流通センターであるTOCビルを運営する、東証一部上場の総合不動産デベロッパー。商業ビルやオフィスビルの企画開発から賃貸、管理までを手がけています。また、商業ビルやオフィスビルの管理に加えて、スポーツクラブや温浴施設の運営も行っています。

働く環境も整っており、土日休みの完全週休2日制を取り入れており、残業時間は月平均20時間以下となっています。

 

第6位 不動産業界利益率:株式会社ゴールドクレスト  33.08%

東京や神奈川を中心にマンション開発・分譲事業を展開する株式会社ゴールドクレストは、設立からわずか7年弱で東証二部に上場し、現在は東証一部に上場しています。2020年には購入者が選ぶsuumo AWARDにて「創造性・ 先進性部門」および「品質と価格のバランス部門」の2部門で優秀賞を受賞しました。また、安定経営が特徴の1つで、自己資本比率が62.7%と非常に高く、不動産業界上場企業の平均31.01%を大きく上回っています。

加えて、女性社員が活躍できる職場づくりにも力を入れており、マンション開発にも積極的に女性目線を取り入れています。新卒に加えて中途採用も募集していますが、営業経験や施工管理経験など、各ポジションの経験者のみの採用となっています。

 

第7位 不動産業界利益率:いちご株式会社  31.73%

平均年収ランキングでは1,020万円で第5位に入ったいちご株式会社ですが、利益率も非常に高く、31.73%となっています。2000年の設立からわずか2年後の2002年に上場しており、2020年2月期の売上高は873億円を記録しています。アセットマネジメント事業をメイン事業として展開しており、これまでの累積運用資産高は何と1.8 兆円を超えています。

2012年からはクリーンエネルギー事業を積極的に推進しており、これまで全国各地に計49基の太陽光発電所を建設しています。

 

第8位 不動産業界利益率:ダイビル株式会社  27.00% 

平均年収953万円を誇るダイビル株式会社の利益率は27%で、第8位にランクインしています。商船三井のグループ会社であり、設立は大正時代の1923年という老舗企業です。大阪に本社を置いており、大阪と東京の両都市部に置いてオフィスビルの賃貸事業を主な事業としています。2020年現在、国内に約30棟、海外にもベトナムに2棟のオフィスビルを保有しており、2020年11月にはオーストラリアに建設中のオフィスビルが竣工予定です。

現在、新卒採用は行っていますが、残念ながら中途採用は募集していないようです。

 

第9位 不動産業界利益率:株式会社センチュリー21・ジャパン  26.87%  

伊藤忠商事が筆頭株主を務める株式会社センチュリー21・ジャパンは、全国の主要都市にオフィスを置き、不動産仲介店をフランチャイズ展開しています。2020年3月期時点で計978店舗が加盟しており、加盟店の総取扱高は毎年8,000億円近くに上ります。また、世界最大級のネットワークとして83の国と地域に約11,600店舗を構えています。

大企業だけあって労働環境がしっかり整っており、完全週休2日制で1日の労働時間が7時間であることも魅力の1つです。中途採用では、営業経験を応募条件としています。

 

第10位 不動産業界利益率:ヒューリック株式会社  24.73%

平均年収ランキング第2位、売上高ランキング第9位のヒューリック株式会社ですが、利益率も非常に高く、24.73%でTOP10に入っています。1957年に旧富士銀行(現みずほ銀行)のビル管理から事業を始め、現在では東京23区内の好立地にビルを200件以上保有しており、全体の約8割が最寄駅から徒歩5分以内に位置しています。

立地へのこだわりは空室率に顕著に表れており、市場平均が約1.5%なのに対して、ヒューリックが保有する東京23区内のオフィスビルの空室率は約0.1%を推移しています。