Indeed Japan株式会社は、20〜40代の子供をもつ男女1,000名を対象に「子育て世代の転職活動と労働状況」に関する実態調査を行い、結果を公表した。子育てという人生の大イベントがどのように転職者の活動に影響を与えるのか、また男女に差はあるのかなどが調査の結果からわかった。詳しい内容は以下の通りである。
男性は「キャリアアップ」、女性は「子育てとの両立」が転職の決め手に
一方で2位以下の理由を見てみると「自身のキャリア(スキル)アップしたかったから」という理由は男性のみ(4位、24.4%)、「時短勤務やリモートワークなど柔軟な働き方をしたかったから」は女性のみ(4位、19.0%)にランクインし、多少の違いも見られた。
この違いは「転職した企業の一番の決め手」を聞いた質問の回答でより顕著となった。
上の表によると、男性にとっての決め手トップ3は「高い給与」「スキルを活かせる職場」「希望の業界」であるのに対し、女性にとっては「時間外労働の少なさと子育ての両立」「希望の業界」「高い給与」となった。比較的男性はキャリアアップを重視しているのに対し、女性は子育てとの両立を重視していることがわかる。
「子育てをしていると採用に不利だと思う」と回答した女性は男性の約3.5倍に
次に、子育てをしながらの転職活動は、子育てをしていない状況で行うよりも難しいかという質問がされた。男女ともに大多数が「難しいと感じる」と回答し、その中でも男性は80.4%、女性は91.2%が子育てをしながらの転職活動が難しいと回答した。また転職活動をする際に、子育てと採用結果の相関性について聞いたところ、「子育てをしていると採用に不利になると思う」と回答した女性は39.7%で、男性11.4%の約3.5倍にのぼった。その理由として、女性は特に雇用形態や時間外労働の有無を重視するため求人を探すのも難しく、労働時間の制限が採用結果にも影響を及ぼしていると考えられる。また女性の子育ては仕事に悪影響を与えるという偏見も残っているのかもしれない。
男性の方が子育てに対する職場の理解を得られていないと感じている傾向に
子育てが転職活動や採用結果に影響していると感じるのは女性の方が多い中、実際に自身の職場が「子育てと仕事の両立をする上で働きやすい職場」感じているのは女性の方が多いという結果となった。「働きやすい」「どちらかというと働きやすい」と回答した女性は計80%なのに対し、男性は計65%となった。
働きにくさを感じる理由としては、男性の方が「残業を強いられて定時で帰宅できないから」と回答した人が多く、これが子育てとの両立の難しさに繋がっているようだ。これは業種や職種の男女差にも関わっているかもしれないが、男性の子育てに対する理解が低いことも原因かもしれない。
ジェンダー平等の実現に向け子育て世代が転職・労働しやすいように、採用活動・人事制度ともに直して行けるところがまだ多くあるようだ。
■調査概要
・調査対象:全国の20~40代で15歳以下の子供と同居し、転職活動経験がある男女1,000人
・調査方法:インターネット調査
・調査期間:2021年9月11日~9月13日
参照:PRtimes