回答した人事・経営者のうち41.0%がリファラル採用を活用・検討しており、コロナ禍でのリファラル採用に一定の期待がある中で、課題も残っていることが分かった。結果の詳細は以下の通りである。
コロナ禍の採用活動における課題
コロナ禍での採用活動での課題として一番にあげられたのは、オンライン選考の難しさ(28.2%)であり、対面の選考活動に比べて人材を見極めるのが難しいと考える採用担当者が多いようだ。一方エージェントやスカウトを利用する企業もいる中で、そこから求める人材が見つからない(21.8%)というのも大きな課題のようだ。
リファラル採用の活用で期待できること
オンライン選考やエージェント・スカウトでの採用活動が難航する中、リファラル採用に期待することを聞くと結果は以下のようになった。
多くあげられたのは「社員がリアルな情報を伝えるため、安心して入社を決めてくれる」(50.6%)「社員が自社の風土や仕事内容にマッチした人を紹介してくれる」(49.4%)という点である。
オンライン採用では企業の風土や人材の特性がわかりにくいため、求職者と採用担当の相互の期待が異なりミスマッチの可能性があるが、リファラル採用ではそのようなミスマッチが起こる可能性が比較的低いと考えられているようだ。
また採用担当者が総じて紹介する社員を信頼し、期待を寄せていることがわかる。
リファラル採用に関わった社員の評価は
社員からの紹介で採用が決まった場合、どのようにリクルーターを評価しているか聞いたところ、結果は以下のようになった。
「インセンティブ(報奨金)を渡す」と答えた人が42.9%にのぼり、最も普及している評価方法であることがわかる。一方で「人事評価制度に入れる」(32.5%)、「マネジメントの要件に入れる」(24.7%)という評価方法も多く挙げられ、多くの企業で明確にシステム化されているということがわかった。
リファラル採用へのハードル
リファラル採用において紹介する社員に期待が集まる中、回答した人の70.8%が人材を紹介した経験がなく、49.8%は知人や友人に自社の魅力を伝えるのが「苦手」「少し苦手」と回答した。
紹介する上でのハードルとしては上グラフのように「紹介したいと思う友人がいない」(32.2%)という回答が多く挙げられただけでなく、「紹介したあとフォローすることが面倒」(28.5%)、「友人が落ちたら気まずい」(26.6%)、「採用の責任を負いたくない」(21.2%)というような懸念点も挙げられた。紹介すること自体への抵抗ではなく、紹介後の人間関係や紹介することによって発生する責任に対する抵抗が大きいようだ。
リファラル採用を促進する中で企業ができること
自社の魅力を伝え知人や友人を紹介するにあたってさまざまなハードルがある中、どのような要素があれば紹介がしやすくなるかも調査された。結果は以下のグラフの通りである。
「人事制度やキャリアパスに関する情報」(38.0%)、「周りの社員の入社理由ややりがいを聞く機会」(34.6%)など、実際に働いている他の社員の経験や、紹介する知人や友人が自社でどのように活躍できるかを明確にすることが企業には求められているようだ。
コロナ禍でオンライン先行が難航する中、リファラル採用をするめる上では紹介する社員からの理解を得て、正当な評価をすることが大事なようだ。特に紹介することへのハードルを下げるため、人事制度などの客観的事実や、自身だけでなく社内の人がどのように働きやりがいを感じているかなどを明確化することが大切となってくる。
参照:PRtimes